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稀有な者たち

アヤの目の前で、壁がゆっくりと動き出した。


 岩がずれ、ひらくように形を変える。

 その奥から、城門にいたはずの存在が、静かに姿を現した。


 ラズレックだった。


「私の名は、巨岩族のラズレックという。

 会うのは二度目だ、青い目の少女よ」


「嘘だな」


 アヤは即座に言い返した。


「私は本物の巨岩族を見たことがある。

 あんたは違う。でもまあ……助かったよ。

 あいつら、結構優秀でさ」


 小剣を構えたまま、視線は外さない。


「ああ、それと――少女じゃない。

 去年、成人の儀礼は終えてる。

 体が小さいのは、便利だから使ってるだけ」


 ラズレックは一瞬、黙り込み、顎に手を添えた。


「そうか。私は“巨岩族”という者を知らぬ。

 あの黒い服の兵が、私の姿を見て口にした言葉だ。

 気に入ったので、そのまま名乗ることにした」


 アヤは答えながら、ラズレックの周囲をゆっくりと回り、観察していた。


「……ラズレック。

 あんた、魔術師なの?」


「違う、と感じている。

 私は目覚めたばかりで、この世界を知らぬ。

 魔術というものも、まだ見たことがない」


「じゃあ、さっき壁が動いたのは?」


 ラズレックは答える代わりに、壁へと手を伸ばした。


 触れた指先が、そのまま岩に沈み込む。


 アヤの目が見開かれる。


「……これって、〈同化〉よね」


 ラズレックは、アヤの高揚を静かに見つめながら言った。


「そう呼ぶのかは分からぬが、

 私は鉱物と一体になることができる。

 一体となったものは、動かすこともできる」


「……できるのか!」


 アヤは思わず小さく跳ね、目を輝かせたまま一歩踏み出す。


「私の名はアヤ。探索者のアヤ。

 ――これから、君と旅をする者だ!」






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