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前日の午後

ラズレックたちは、男の後について行き、商人の屋敷へと向かった。


屋敷の中に入ると、すでに五人の傭兵が待機していた。


ティオは怖がり、母親の背後に隠れる。


傭兵の一人が、ラズレックを指さして笑った。


「なんだよ、でっけえのは。こんなんじゃ隠密行動なんて無理だろ」


アヤが即座に言い返す。


「私たちは潜入しない。潜入するのは――そこの子だよ」


傭兵たちは一斉にティオを見た。


そして案内してきた男の方へ視線を向ける。


「……この子が、探していた“空を飛べる者”か?」


「ずいぶん幼いな……大丈夫なのか?」


不安そうな声が上がる。


別の傭兵が低く言った。


「作戦が失敗しても、報酬は出るんだろうな?」


そのとき、部屋の奥から屋敷の主が現れた。


「心配はいらん」


落ち着いた声だった。


「息子の生死にかかわらず、報酬は支払う」


「……ヘルマン。その子が、空を飛べる子なのだな?」


ヘルマンと呼ばれた男がうなずく。


「はい。この子がティオです。こちらが母親。


 そして、説得してくださったアヤ殿


 土の魔術師のラズレック殿です」


 お二人が、ティオの支援をしてくださいます」


屋敷の主は静かにうなずいた。


「私はフォン・ドレイクだ」


「……長男のためとはいえ、迷惑をかけている。感謝する」


アヤは小声でヘルマンに合図した。


(報酬の確認、忘れないで)


ヘルマンとドレイクはしばらく話し合ったあと、戻ってきた。


「ティオ親子への報酬は了承された」


「……それで、お前たち二人の報酬は?」


アヤは即答した。


「水の魔術師、ルドルフ・ミューレンのいる街セフィラへ行きたい。商団に同行する許可がほしい」


ヘルマンはうなずいた。


「わかった。必ず手配しよう」


ドレイクは部屋の全員を見渡した。


「決行は明日の早朝だ。ヘルマン、これからティオたちと詳細を詰めろ。皆の者よ……頼む」


そう言って、深く頭を下げた。


アヤはティオに目を向ける。


「……やれるか?」


ティオは少し考えてから、うなずいた。


「やれるよ」


「……バロンも一緒に行ける?」


アヤは苦笑する。


「状況次第だな。場合によっては……ありかもな」


(下からの矢よけにもなるし)


ラズレックの前に、ティオの母親が立った。


「ラズレック様……どうか、ティオを守ってください」


ラズレックは静かに答えた。


「わかった」


「ティオも、ドレイクの子も……必ず助けよう」







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