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私たちはドラゴンを倒したことがありません

どうやら僕達は見張られているようだ...

あの王が近衛兵を付けることに渋らなかったことに疑えば良かった...

近衛兵が宿屋の外に見張っている者一人、定期的に宿屋内を見回っている者一人...

これでは万が一脱出できたとしてもここは大都市...そこら中に兵士はおり、どの道にも人がいるので隠れることも出来ない...

「どうするよ!?このままじゃ餌にされるぞ!」

「どうすることも出来ないじゃないか...」

「...いや1つあるぞルッキー」

「...それなんだ!?」

「殺すんだ」

「は?」

「殺すんだよ...追いかけてきたヤツ全部」

「レイ...お前……」

「それはダメよ!絶対ダメ!」

「でもそうするしかないんだ!」

「私は...人を助けるために冒険者になったのに...命を奪うなんて絶対やだ!」

「...」

「レイ...絶対ダメ...絶対に絶対そんなことしちゃだめ......」

「分かったよ...」

「それじゃどうする?みんな」

「...ドラゴンと戦っている時に逃げるのはどうだ」

「それだと戦ってる時に近衛兵に引き留められちゃんじゃ...」

「どうせ王が捨て駒にするくらいだ...近衛兵自身もそれは分かってるだろうから説得するんだ」

「だとしてもどこに逃げる?」

「...ルッキーの力で作れないか?隠れ場所」

「どうやって...」

「お前の力で物は無限に入るんだよな?」

「ほんとに無限か分からないけど確かに大量には入るな」

「そしてお前の力で収納した物を加工できるよな?」

「土で槍を作ったからある程度は出来るかもしれない...」

「それじゃ...とにかくどこでもいいから隠れ場所の入口と同化できるところに逃げるんだ...例えば山とか森とか..……」

「その後はどうする?自給自足するのか?」

「...死にたくないならそうするしかない......」

「分かった...そうしよう」

「賛成...人の命を奪わなければいいよ……」

「そうするしかないなら...やるしかねぇよな」

「全会一致だな」

「明日絶対に逃げるぞ」

「「「分かった」」」


「こっちだ、もう少し進んだらいづれ洞窟の入口が見えるだろう」

「一応聞きたいんですが...」

「はい?」

「あなた方近衛兵たちも戦うんですよね?」

「はいそういう手筈になっていますね」

「戦闘はどのくらい経験されたんですか?」

「いえ初めてですが...それなりに訓練はしているのでお力添えになるかと」

「なるほど...」

「そろそろ着きますよ〜!」

「「「「はい」」」」


「こちらが目的地です」

「どのくらい深いんですか?」

「洞窟に住むドラゴンで鉱石を主食としているのでかなり深いと思われます」

「そういえば王様はなぜこのドラゴンを討伐しようと思ったか分かりますか?」

「洞窟に住むドラゴンは希少で、鉱石を主食としていますので体の鱗は鉱石に影響し鱗が食べた鉱石によって鱗もその鉱石になります」

「なのでその鱗欲しさにこのドラゴン討伐を依頼したのでしょう」

「...その鱗が必要な理由とかは」

「王様の権威のために使うのでしょう」

「...」

「それでは洞窟に入っていきますよ」

そして僕達は洞窟の中へと足を進めていく

「すみません」

「「なんでしょうか?」」

「1つ提案があるのですが...」

「はい?」

「まず私たちの事は聞いていますか?」

「いえ...聞いていませんが……」

「私たちはドラゴンを倒したことがありません」

「...え?」

「どういうことです??」

「私たちはドラゴンを倒した者と同行し、ドラゴン討伐を協力すると聞いていたのですが...」

「いえ...実は……」

洞窟の奥から揺れと何かの鳴き声のような声を聞いた

「……!!今の揺れと大きい音なに!?」

「そんな...早く言わないと!」

「俺らが前に行く!その間に説得しろ!」

「分かった!」

「あなたたちは生きたいですよね!?」

「は...はいもちろん!」

「このままだとドラゴンにみんな殺されてしまいます!はやく私たちと逃げま...キャ!」

奥から氷柱のようなものが飛んできた

「おい大丈夫か!?レイ!レイ!?」

「リリス頼む!直してくれ!」

レイは足に鍾乳石にしてはあまりにもキラキラした物が突き刺さってしまった

治癒を求むルキフェルたちの声を聞き水魔法で治癒をしながら説得を続ける

「とにかく私たちと逃げましょう!!

ドラゴンなんて倒せるわけない!!個々で死ぬより逃げた方がいいよね!!」

「...無理だ」

「なんで!?死んじゃうよほんとに!!」

「命令に反することをしたら俺たちは家族共々反逆罪で殺される...あなた達と逃げたら謀反を起こしたとして血族全員殺されてしまうかもしれない……」

「...王はそこまで腐っていたのかクソが」

「ルキフェルどうする!?」

「ルキフェルお願い私たち達を助けて!」

「……」

僕は一体どうすれば僕は一体どうすれば僕は一体どう


「ルキフェr!!」


ればは一体どうすれば僕は一体どうすれば僕は一体ど


「ルキフェル!ウィルフレッドが...ねぇ!ルキフェ

ル!ねぇ!ねぇねぇ!!...あぁ、ああぁあ……レイが...レイが……治せない...焦げ過ぎてる...ねぇ...ルキフェルってば……返事してよ...」


うすれば僕は一体どうすれば僕は一体どうすればボク


「これが一番最適なんだこれで俺だけで済むこれでい

いんだこれでいいんだこれでいいんだこれでいいんだこれでいいんだこれでいいんだこれd」


は一体どうすればボクは一体どうすればボクは一体ど


「もう...ウィルフレッドが息してないよ...刺さってる…即死してたら治せない...私は…なんでなんでなんで助けるために冒険者になったのになんで治せないのなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなん」


うすればボクはいったいどうすればボクはいったいど


「ルキフェル...ウィルフレッドもレイも近衛兵さんも……ねぇ...何か言ってよ...」


うすればボクはいったいどうすればぼくはいったいど


「やめて...来ないで...やめてやめてやめてやめてやめ

てやめてやめてやめてやめてやめ」



私は何故忘れていたのだ?



「え?なにしたの?もしかしてドラゴンを吸収した?」

「え、ええ、なんで?なんで出したの?死んじゃうしんじゃ...え?」

「なんで襲ってこないの?ねぇなんか言ってよルキフェル...」

私は思い出した

人間は卑劣で弱く、滑稽であり、欲張りで身びいき、自己中で見栄っ張り。嘘つきで、差別や迫害、偏見や対立を起こす愚かな下等生物で、簡単に同族を見捨てるほど腐っている

なぜ私はこのような者たちに利用され続けていたのだろうか?

...力が足りなかったからだ

前世でも人間に負けて死んでしまった

全て自分の力不足である

だが今はどうだ

人間側が衰退している

この力で再び魔王軍を復活させる

今こそ人間を滅ぼすときだ

「ねぇ...なんでずっと黙ってるの?……このドラゴン襲ってこないし...なんでどうやって?それ知ってたら助けれたんじゃない?ねぇ...ねぇ!!」

「お前は私の配下に加えよう」

「え??ねぇなんで怖い目で見るの?ねぇなんで手をこっちに向けるの?それ投擲箱使う時にするよね?ねぇ...ねぇねぇねぇねぇ!やめてよやめてやめてやめてやめ」

吸収...洗脳……私の力の一部を与えよう

「……ルキフェル様ありがとうございます」

「この力...有難く活用させていただきます」

「兵士を集めるぞ…」

「承知いたしました」

堕ちましたね

人間に屈服することを拒みました

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