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85話 モテ男

「フォルトさまならいつでも歓迎しますわ」

「次予定が開かれるのはいつですか?」


 最初に会った時に整った顔立ちだとは思ったがこれほど人気だとは、、、

 普通帝都の令嬢たちは北部貴族を避けるのに、、


「私の勝手な見解ですが恐らくフォルトさんは帝都にいる期間が長いためなじんでいるのではないでしょうか?」

「ああ、そう言うことか」


 フォルトはマンフレートの次期当主だが最近は北部ではなく南部にいることが多い。

 南部にいる北部勢力のまとめ役として北部2大公爵家の次期当主がいることで北部本土とも連絡が取りやすい。

 それに僕が軍の改革で設立した諜報機関のいくつかは彼の指揮下においてある。

 実際僕の帝都遠征にあたっての事前情報は彼が主導して集めたものだ。


「今回は僕のために参加してくれたんだし責任もって救いに行かなきゃね」


 このままだとパーティーが終わるまで令嬢たちに囲まれてそうだ。


「当家は侯爵家ですわ。当家に是非!」

「当家の領地から見る海はきれいですわ。是非いらしてください」

「今度大規模なパーティーを開くつもりですの。いらしてください」

「はは、是非検討させていただきます。令嬢方」


 彼は令嬢たちの猛烈な参加要請を苦笑いしながらなんとかあしらってた。


「是非!」

「いらっしゃるだけでも!」


「では今度開く僕のパーティーにも参加してもらおうかな」


 僕は令嬢たちの求めを遮るように言った。


「こ、これはこれは殿下、気づかず申し訳ありませんでした」


 フォルトさんは僕に気づいて一礼した。

 令嬢たちは一瞬僕が誰かわからないようだった。

 恐らく僕の入場時にもずっとフォルトさんに張り付いていたからだろう。

 

「父上とはもう会われましたか?」

「うん、会ったよ。モテ男の君を助けてきてくれだって」

「そ、それは。申し訳ございません」


 彼はモテ男を言われて少し照れているようだった。


「ちょっと!」


 令嬢が声を上げた。

 令嬢たちの塊の中心にいるいかにも大貴族令嬢って感じの人だ。

 

「あんた誰?わたくしが先にフォルト様をパーティーにお誘いしていたのよ!どこの馬の骨か知らないけど礼節はわきまえなさい!わたくしはカストル公爵家のマリアよ!少なくとも顔も知られていないほどの弱小貴族令嬢のあなたより偉いのよ!」


 カストル公爵家、、、

 ああ、正統派陣営の家か。

 確か東部の広大な領地で大農場を経営しているんだっけ。

 金使いが荒いことで有名だけど態度も荒いな。


「そちらこそ態度と礼節をわきまえなさい。このお方は帝国第五皇女にして北部軍最高司令官であらせられるお方だぞ」


 リールが少し切れ気味で警告した。

 リールは僕のことになると少しの暴言も我慢できない。

 この前皇室騎士団本部で暴れて来た時は後処理厄介って諜報部から改善要求上がってきたんだから。


「なっ!」


 はっとした感じで僕の着ているドレスなどを見る。

 見たことないような素材のいかにも高そうなドレスを見て僕が皇女だと確信したようだ。

 カストル家の令嬢は固まっていた。

 そりゃそうだ。

 追放されていたとはいえ帝国の皇女を堂々と侮辱してしまったのだ。


「き、気づかなかったですわ。申し訳ございません!」


 カストル家の令嬢は頭を下げて謝罪してくる。


「僕は気にしてませんから。お気になさらず。リールは僕のことになると少し口調が強くなってしまうんです」

「寛大なお心ありがとうございます」


 それから令嬢は取り巻きを連れて速やかに退散していった。

 恐らく僕の気が変わらないうちに逃げたかったのだろう。

 他の令嬢たちも僕が皇女だと聞いて勝てないと悟り自分の陣営に退散していった。


「助かりました。ありがとうございます。殿下」

「どうってことないよ。それに帝都の令嬢がどんなものか見てみたかったしね」


 フォルトさんに感謝される。

 本人も令嬢たちに囲まれて困っていたようだ。

 

「ろくなものではないでしょう?北部と違って陰湿なことを平気でします」

「まあ予想はしてたけど結構ひどかったね。初対面の人に侮辱とは、、、」

「帝都の社交界ではあれが常識です。殿下もお気を付けください」

「わかった。気を付けるよ」


 今日改めて帝都の連中とは相いれないことを認識した。

 今後見直すこともないだろう。

 

「そういえば第一皇子と第二皇女の方はいかがでしたか?」

「第二皇女は以外にも好印象だった。ただ第一皇子の方はとても分かり合えるとは思わないね」

「やはりそうでしたか。第一皇子は小さいころから皇太子最有力候補として育てられていたので態度がいささか横暴なことで有名です」

「そんな奴がよく陣営を保ててるね」

「皇后の存在が大きいでしょうね。第一皇子自体はそこまで人気がないそうです。ただ同陣営の皇后の尽力のおかげで最大陣営を維持してきたとか」


 皇后、、、

 一度もあったことがない。

 第一皇妃は僕達親子に嫌がらせを続けていたが皇后とはかかわりすらなかった。

 帝都で戦うからにはいつか会うのかな。

 その時はしっかりと見極めなきゃね。


「あと第一皇子は態度が横暴な分そこまで策略に富んではいないようで御しやすいようです。そのおかげでさらなる権力を追い求める大貴族には人気だとか」

今日から通常日程再開になります。

次回投稿は火曜日になります。


読んでくれてありがとうございました!




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