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84話 令嬢達

「そ、それは本当か?」


 第一皇子は聞いてきた。

 もうすでに馬車や護衛隊を見ているから疑っているのではないだろうがそう簡単には信じられないのだろう。

 

「はい、僕が育ったヴァルド城の学者たちからプレゼントされました」

「そ、そうか、、、よかったな。その杖は?」


 第一皇子は驚きながら話題を変えようとする。

 相変わらずなれなれしい。

 

「これは北部軍最高司令部からのプレゼントの北部軍最高司令官杖です。形式上ではこの杖があれば30万の軍を動かせることになっています」

「これが、、、」


 第一皇子は言葉を失っていた。

 恐らく30万の軍を動かせる杖に圧倒されたのだろう。

 

「そういえばカーナの護衛騎士はフォーク家のご令嬢だったな」


 第一皇子が思い出したように言う。


「はい、今回はリールが担当してくれています。初めての社交界ですので親しい人が近くにいると安心しますから。リール」


 北部貴族達と後ろで待機していたリールを呼ぶ。


「お初にお目にかかります。両殿下、フォーク家のリールと申します」

「ほう、お前がリールか」


 第一皇子の態度は僕の時と違っていきなり小馬鹿にしたような感じだった。

 恐らくリールが女だからだろう。

 帝都では北部と違い騎士は男のみでかつ騎士は大貴族や皇族から下に見られやすい。


「どんな役職を持っている?」

「北部軍近衛隊隊長と北部軍最高司令部上級作戦指揮官を兼任しております。時と場合に応じて臨時最高指揮官も担わせていただくこともできます」

「ふっ、女の身で騎士を最高司令官か。無能が多い北部ではお前以上の者がおらずたまたまなれたのだろうが南部では非常識なのだぞ」


 またもや馬鹿にしたような態度だ。


「騎士ならば今度うちの騎士と模擬戦をしてみるがいい。まあ自分の限界を見る良い機会にもなるだろう」


 はぁ

 これだから南部人は嫌いだ。

 何か物事を言いたいなら直接言えばいいのに。

 事あるごとに馬鹿にして何が楽しいのやら。

 

「喜んで参加させていただきます。”それがどちらになるかわかりませんが”殿下のおっしゃる通り限界は見えるでしょうからね」


 リールが皮肉をにっこにこで返す。


「ちっ、いいだろう。もうすぐ帝都の全騎士団が参加する決闘会がある。そこに参加すると良いだろう。私の騎士は準決勝から参加するからそこまで来ればいい。できたらの話だがな」

「ありがとうございます。北部に持ち帰るトロフィーが増えそうです」


 ああ、第一皇子の騎士かわいそう。

 無能な主人が勝手にリールの怒りをかっちゃった。

 

「では僕たちは北部・旧貴族達に挨拶しなければいけないのでこれで」


 2人は今にも殴り始めそうな雰囲気だ。

 僕が急いでリールを連れてその場を離れる。


「あ、妹ちゃん。」


 去り際に第二皇女から声がかかった。


「是非私の宮殿に来てね。いつでも歓迎よ」

「ありがとうございます。では後日伺わせていただきます」


 第二皇女はさっきの流れを傍観していた。

 恐らく第一皇子とは違ってそれほど南部の慣習にこだわっていないのだろう。

 改革派を率いているから当然か。

 

「行こう、リール」

「はっ」


 そうして僕の兄弟姉妹との初対面は終わった。


「改めて北部で育ってよかったと思うよ」


 僕は第一皇子達と別れて会場の隅のソファーに座ってリールと話していた。


「もし僕があの時追放されなかったらあんな感じに育ってたかもしれないしね」

「それは、、、想像もしたくないですね」


 お母様と離れ離れになる追放は望むところではなかったが結果としてよかったと改めて感じた。

 

「それに北部でみんなと会わなかったら今頃既存陣営のどれかに駒として使われてたと思うしね」

「人生は運任せと軍団長の誰かが言ってたことがあります。本当にその通りかもしれませんね」

「そうだね。僕は強運の持ち主だよ」


 リールと少し話した後僕たちは立ち上がって挨拶回りを始めた。

 社交界デビューでは普通今後に向けて顔をうっておくのが基本だ。

 普通皇族は自分の陣営貴族にしか挨拶しないがせっかくの帝都だしいろいろ見て回ろう。


「殿下、改めて社交界デビューおめでとうございます」

「ありがとう、おじさん。これもマンフレート家が帝都での基盤を持ってたおかげだよ。」

「いえいえ、北部総督として当然の職務をこなしたまでです」

「そういえばフォルトさんは?」

「ああ、あいつなら帝都の令嬢に絡まれてます。私と違って顔がいいのでね」


 会場の中央あたりを見ると令嬢に囲まれているフォルトさんが見えた。

 どうやら帝都令嬢たちに人気らしい。

 確かに改めて見ると整った顔立ちだ。

 それに博学で北部の半分を治める公爵家の次期当主となれば人気も出るだろう。


「ふふっ、じゃあ彼の方に行ってきます」

「行ってらっしゃいませ」


 僕はおじさんと別れて令嬢たちに囲まれるフォルトさんの方に向かった。

 

「今度当家の晩餐にいらっしゃってください」

「いえいえ、私のお茶会に是非」

「今度パーティーを開きます。ぜひお越しください」


 10人くらいに囲まれている。

 それも僕と同じくらいの若い令嬢ばっかりだ。

 大人気だな。

 本人は困っているようだが

プライベートの予定で1週間ほど休ませていただきます。

そのため次回投稿は10/30の日曜日になります。

読んでくれてありがとうございました!




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