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61話 帝都の仲間

「今、、なんて、、、」

「もう一度言う?僕と契約をして部下になってほしい。報酬はバーレル大公の座と君を奴隷にするにあたって関与したすべての人の首だ」


 僕はそうはっきりと宣言した。

 彼女は破格の提案に呆然としている。


「まあすぐ決めることはない。詳細もまだだし時間をかけて考えt、、、」

「やらせてください!」


 彼女は僕が発言に終わる前に契約すると宣言した。


「、、、いいの?僕の部下はかつてないほどに茨の道だよ」

「構いません。あなたと会ってまだ少しですが信頼に値する人だと判断しました」

「ふふっ」


 僕は少し笑った。


「どうかなさいましたか?」


 彼女は何か気に入らないことをしたのではないかと心配そうに聞く。


「いや、何でもないよ。ただ偶然こんな逸材を見つけられたことがうれしくてね」


 普段神や奇跡など信じていないが今回だけは運命を感じる。


「よし!じゃあ決まりだ!ハンナ、君は今より僕の正式な配下となる。ともに玉座を取りに行こう」

「はい!喜んで!よろしくお願いいたします!」


 僕と彼女は固く握手した。



ー-------




「おはようございます。殿下」

「おはよう、リール」


 僕はベットから起き上がってリールに挨拶する。

 昨日はハンナと契約の詳細や僕の目的について話し合ったから寝るのが遅くなってしまった。


「外でハンナさんが待ってます」

「朝早いね。さすがちゃんとした令嬢だ」


 彼女は奴隷になっていたとはいえ少し前まで公国の公女だったのだ。

 僕と違って令嬢としての英才教育を受けてきた。

 戦場育ちの僕はそれが羨ましい。


「よし!行こう!」

「はっ!」


 いつものワンピースから軍服に着替え終わった僕は部屋を出る。


「おはようございます。殿下」

「おはようハンナ、昨日はよく寝れた?」


 部屋を出ると僕と同じくらいの年頃のきれいな銀髪の令嬢が話しかけてくる。

 ハンナ、帝都での初めての仲間だ。


「おかげさまでよく寝れました。ありがとうございます」

「今日は外に出て僕と君の服を買おうと思う」

「私の服もですか!?いえ、そんなことまでしていただかなくても、、」


 ハンナは昨日奴隷服から北部軍の軍服に着替えている。

 だがさすがに軍事訓練も受けていない令嬢が軍服と言うのは変だ。


「いいよ、金ならいくらでもあるし。それに南部の服装についてはあんまり知らないんだ。帝国と近いバーレルの君にいろいろ教えて欲しいな」

「、、でしたらご一緒させていただきます」


 僕たち三人は朝ご飯をお母さまと一緒に食べて庭に出た。


「あ、そうだ。これ渡すの忘れてた」


 僕はハンナに封筒を渡した。


「何ですか?これ?」

「君の1か月分の給料明細だよ」

「っ!こんなにもらうわけにはいきません!まだ何もしていないのに!」

「君はもう奴隷じゃなくて自由市民なんだしそれくらい一般的だよ」

「全然一般的じゃありません!これは帝都市民の年給を越えています!」


 え?そんなに!

 内心普通だと思っていたからびっくりした。


「北部では普通なんだけどな~軍の一般的な給料だし」

「ここは南部です。北部のようにむやみやたらに高給を渡してはいけませんよ!私は衣食住も用意してもらっているのに」


 ハンナに半ば強引に給料明細を返された。


「わかった。じゃあこれは年給にしておく。何かあったらそのつどボーナスあげる。それでいいね?」

「それでも多いですか、、、わかりました」


 僕に相当な恩を感じているのか頑なに受け取ろうとしないハンナを説得して修正した明細を後で渡すと約束した。


「まあ、どうあれこれで正式に契約が完了した。ようこそハンナ、僕たちの仲間に!」


 僕は彼女に手を伸ばした。


「はい!よろしくお願いいたします。全力を尽くします!」


 彼女は僕の手を取った。




 こうして帝都最初の仲間が僕たちの隊に加わった。



ー-------



「第3軍団!整列完了!」

「第5軍団も同じく!」

「よし、両軍団重装歩兵を前進、敵と接触後対人用のトレビュシェットを敵本陣に発射。敵軍の指揮系統を完全に破壊せよ!」

「了解です!ブラン閣下!」


 私はその年に見合わない力強い声で2人の軍団長に命令した。


「はッ!」

「はッ!」


「殿下が発たれてから初の会敵だ、制限なく力を見せてやれ!」


 2人の軍団長が自軍団に戻ると私の笛が戦場に鳴り響き2万3千のうちから数千が一糸乱れぬ動きで前進していく。


「北部のために!姫様に勝利を!」

「北部のために!姫様に勝利を!」

「北部のために!姫様に勝利を!」

「北部のために!姫様に勝利を!」

「北部のために!姫様に勝利を!」


 敵陣に進む兵の指揮は高いそれもこれも殿下のあの宣言あってのことだろう。

 殿下は2年で勝って帰ってくると宣言された。

 しかも戦場は家から離れた敵陣だ。

 30万を超える精兵たる我らが負けるわけにはいかない。

 必ず2年で王国を併合し帰ってきた殿下に献上いたすのだ。



ー-------



 歩兵が敵と接触してから数刻、新しくヴァルドの研究部から送られてきた対人トレビュシェットも発射し敵指揮系統は完全に崩壊した。

 そろそろか。


「報告!生き残った敵将が降伏を申し出てきました!」

「わかった。全軍戦闘を停止、各軍団自陣に帰還せよ」

「了解しました!」


 初戦は完遂した。

 私の軍の会敵と同じ時刻に4か所同時攻撃、皆うまくやっているだろうか?



ブランの心配をよそに敵王都には数日後4拠点と出陣中の1軍からほぼ同時に救援要請が到着したのだった。

そして更に数日後4つの拠点と1つの軍のすべてが陥落・降伏したとの連絡を受けることとなる。


1日遅れてしまい申し訳ありませんでした。

次回からは予定通り投稿できると思います。

次回投稿は金曜日になります。


読んでくれてありがとうございました!



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