表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/138

54話 トーリ商会

「とりあえず適当な商会探そう」

「了解です。我々は帝都の市場に関しては全くの素人ですからぼったくられないように気を付けないとですね」

「だね、じゃあ大きい商会に行こう。大きい商会ならそんな姑息なこともしてこないでしょ」

「ですね。行きましょう」


 そう言って僕たち一団は商会が並ぶ通りを進んで行く。


「あ、基本情報は集めてきたので説明いたしますね」


 さすがリール。

 用意がいい。


「お願い」

「はい、この商会街は帝都北部に位置する帝都市場の中心です。帝都の人口300万の内50万人がここに集中しています」

「面積はそこまでないように思えるけどそんなに?」

「はい、そのためここらへんの建物の背は高くなっています。あと各商会が保有する奴隷が多数存在するのでそれもあります」


 奴隷、、、

 北部にはそもそもないものだからあまり感覚がわからないし理解できない。


「あと大きな商会の本店や本部は大体このエリアにあり、商品も集中しています」

「具体的にどんなものが集まってるの?」

「なんでもです」

「なんでも?」

「はい、商会街は多数のエリアに分かれていてエリアごとに扱うジャンルが違います」


 確かにここら辺は食品ばっかりだ。


「商会町全体で見るとない物はないほどに多様な商品がそろえられています。パンから奴隷まで様々です」

「じゃあ今回は不動産エリアに行けばいいのか」

「そういうことになりますね」

「不動産エリアはどこら辺?」

「えっと、少々お待ちを」


 リールが外套の下に隠れている軍服のポケットから資料を取り出して不動産エリアを探す。


「あ、見つけました。ここから通りを三本奥に行ったところです」

「よし、行こう」

「はい」


 僕たちは馬の速度を落として通りを進んだ。

 僕たちが進んでいるのは商会街を横断している通りだ。

 そのため一本通りを横切るたびに景色が大きく変わる。

 

「本当に何でもそろってるみたいだね」

「はい、大陸の品々はもちろん他大陸も国から仕入れた物もあるそうです」

「やっぱり港をもっているのは大きいよね」

「そうですね。北部には海がありませんから」


 魚を扱っているエリアもあった。

 さすがに新鮮さには欠けるが塩漬けにされた魚が多くあった。

 南部は飛び地として海岸部を領有している。

 そこにある港から毎日膨大な量の商品が入ってきている。

 リールの言う通り北部は海に面していない。

 大量の物資を一気に輸送できる船は魅力的だ。

 せっかくだしこの2年の間に時間ができたら海にも行ってみよう。


「殿下、着きました。不動産エリアです」


 そんな考え事をしていると不動産エリアに着いた。

 大小さまざまな商会が軒を連ねている。


「馬だと小回りきかないので歩いて行きましょう」

「そうだね」


 僕たちは護衛隊の数人に馬を任せて歩きでよさそうな商会を探した。


「とりあえず来てみたはいいもののどこがいいんだろう?」

「我々は帝都に関しては全くの素人ですからね。まあとりあえず北都で屋敷買えるくらいの金は持ってきたのでゆっくり探しましょう」

「そうだね」


 今回でいくつかの拠点をそろえたい。

 理由は時間がないからだ。

 僕の社交界デビュ―まであと数週間しかない。

 それまでに帝都での体制をある程度揃えておきたい。

 他人を招待するわけでもない諜報拠点に時間をかけていられないのだ。

 あとのことに使うために今回の予算は少なめに見積もっている。

 だがこれでも数軒は買えるだろう。


「ん~わからないですね。ヴェスターには不動産もなにもなかったので何がいいのかわからないですね」

「しょうがない。適当なところ入ろう」

「ですね」


 僕たちは目に入った中で一番大きい商会に向かった。


「妙にギラギラしてるね」

「確かに、、、まあ大きい商会なので信用はできるでしょう」


 3階建ての大きな建物が立派な金のタペストリーで飾られている。

 北都の建物と比較すると小さいが帝都では5本の指に入るくらい大きいだろう。


「名前は、、、トーリ不動産商会?」


 どうやら名前はトーリ不動産商会だそうだ。


「とりあえず入ってみましょう」


 僕たちは両開きの扉を開けて入った。

 中は1回と2階が吹き抜けになっていてシャンデリアが飾られていた。

 中にいる人もそこそこの多かった。


「とりあえず大人数で行くと目立つからリールとエレナさんと数人だけついてきてくれる?」

「了解です」

「かしこまりました」


 少人数とはいえただの小金持ちの護衛には多すぎる人数だ。

 僕はリールとエレナさんと数人だけ連れて後は外で待たせた。


「すいません、物件を買いに来たんですけど」


 リールが近くにいた商会の人に聞く。

 商会の人は僕たち一団の格好を見て言った。


「こちらへどうぞ、個室にご案内いたします」


 ん?

 まだ自己紹介も何も言ってないけど何でVIP待遇なんだ?

 

「リール、何か言ったの?」

「いえ、特に、、」


 僕たちは部屋に案内された。

 宝飾品で飾られていてカーペットが敷かれているさっきのエントランスと比べても豪華な部屋だ。

 などと考えているとドアがノックされた。


「どうぞ」


 と答えるとドアが開いて豪華な服を着た若い男が入ってきた。


「どうも、初めましてお客様。私はこの商会で商会長をやっておりますトーリ・ファウゼンと申します」


 ん?

 商会長!?


すいませんでした。

プライベートの関係で2日お休みをいただいていたのですがそれをど忘れしてしまい1日遅れました。

もうプライベート関係は片付いたので今まで通りのペースで投稿できると思います。

申し訳ありませんでした。


ー-------


読んでくれてありがとうございました!



もし面白い・続きが読みたいと思っていただけたらブックマークや広告下の☆☆☆☆☆でポイントを入れていただけるとうれしいです!



評価はモチベに繋がりますのでよかったらお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ