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31話 宣告



「殿下、、、申し訳ありません」


 それは突然だった。


「、、、え?」


 何を言っているのかわからなかった。

 これほどまでにおじい様が深刻そうな顔をしているのは今まで一度も見たことない。

 何故僕に謝ってるのかもわからない。


「どういう、、、ことですか、、、」


 おじい様は重そうな口を開いた。


「先日、帝都から定期連絡の者が来ました、、、その者がこれを、、、」


 おじい様は机の引き出しから何かの書簡を取り出した。

 上質な紙で赤いシーリングスタンプでとめられていた跡がある。

 

「、、、これは?」

「帝都から、、、殿下に、、、」


 おじい様は今にも擦り切れそうな声で言った。


 僕はシーリングスタンプの紋章を見た。

 紋章で差出人がわかるはずだ。

 最悪の場合が頭をよぎった。


「ッ!!」


 、、、その最悪の場合だった。


「これ、、、は、、、」

「、、、はい殿下宛てに皇宮からです」


 皇宮、、、

 8年、、、8年何も来なかった。

 8年間いないものとして扱われてきたのに、、、


 僕は恐怖で震える手でその書簡を開いた。


「、、、う、、そ、、、」


ガタンッ!


 僕は崩れ落ちた。

 絶望した顔からは涙が流れた。

 、、、手紙には、、、こう書かれていた。



「貴女はあと数か月で14になる。帝都での成人は14歳であるため貴女もその時成人することになる。

皇族の成人は慣例により帝都で執り行う。また、皇位継承の次期が迫っている。大陸の覇者たる我が帝国の継承候補者はすべて帝都に集結しなければならない。

貴女の婚約もしなければならない。これらにより帝都皇宮よりベルヘルツニア帝国唯一皇帝が命令する。

第五皇女カーナ・フォン・ベルヘルツニア、貴女は帝都に居を移せ。野蛮な北部とは縁を切り、帰還し帝国に改めて忠誠を誓うのだ。騎士団を迎えに行かせる。

その者達に従うように。騎士団は2か月後に到着する。」



「殿下!!」


 崩れ落ちた僕をおじい様がとっさに支える。

 おじい様の手も震えている。


「誰か!来い!」


 おじい様がとっさに人を呼ぶ。


「どうしましたかおじい様!」


 ドアをけ破るような勢いでリールと護衛隊が入ってきた。


「だい、、、じょう、、ぶ、、です」


 自分でも大丈夫じゃないことはわかっていたがリール達に心配をかけたくなくてとっさに口から出た。


「殿下、どう見たって大丈夫じゃないです!」


 リールは事情をまだ知らないが崩れ落ちた僕を見て心配の声をかける。


「、、、ちょっと、、一人にして、、」


 僕はよろつきながら何とか立ち上がって部屋から出た。

 とにかく今は部屋に帰ろう、、、

 いつもの部屋へ、、、

 ずっと僕の我が家、、、だった、、、部屋へ、、、


 僕は途中誰の口も聞かず部屋に戻った。




今回は重要回ということもあり短くなってしまいましたが次回からは元に戻ります。


読んでくれてありがとうございました!



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