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19話 第二十五軍団長


「第二軍団帰還!」


 本陣に伝令兵の声が響く。

 エレナさん達が帰ってきたみたいだ。


「殿下、行きましょう」

「うん!」


 僕たちが天幕を出るとちょうどエレナさんが来たところだった。

 彼女は第二軍団の先鋭部隊である護衛隊を連れきれいな毛並みを持つ茶色い愛馬に乗っている。

 あらためて見ても奇麗だな~

 エレナさんは平民出身の女性兵で今までずっと要塞の守備兵としてくすぶっていたが今回の改革で一気に新設された軍団の軍団長まで上り詰めた。

 きれいな金髪のポニーテールとすらりとした体からは想像できない剛力と卓越した戦闘技術で最近軍団長の中で有名だ。


「姫様、先陣を切らせていただいたことを感謝いたします」


 エレナさんが馬から降り、膝をついて胸に手を当て敬礼しながら言う。


「いいって、エレナさんは今回参加した兵では一二を争う実力の持ち主だからね」

「ありがとうございます。あっ早速ですが結果の報告をしたく思います」

「オッケー、お願い」


 エレナさんはまじめだな~

 どこかの誰かほどではないけど

 

 そう言ってリールのほうを見た。


「ん?何かありましたか?」

「いや何もないよ。それよりエレナさんの報告を聞こうよ」

「そうですね」


 よかった内容はきずかれてないね。


「では報告いたします。まずは我が軍の被害から」

「了解」

「我が軍は今回の戦闘で役1000名の軽症者、300名の重傷者、28名の戦死者を出しました」

「28人か、、、」


 今回の戦闘だけで28人の家族が、、、

 これは戦争で、ただの子供の喧嘩ではない。

 しょうがないと内心わかっていても納得できない。

 いや、してはいけないのだ。


「ですがこの戦力比でわずか28名の死者で済んだのは明らかに大戦果です。これもすべて姫様の改革のおかげです」

「そうですよ殿下、2年前なら少なくとも1000名の死者が出ていたことでしょう。これは完勝です」


 リールとエレナさんが僕の顔を見て慰めてくれる。

 そうだ、僕は指揮官だ。

 せめてみんなの前だけでもちゃんとしていなきゃ。


「ありがとう2人とも、じゃあエレナさん戦果のほうをお願いできる?」

「もちろんです。では戦果を報告いたします」

「ありがとう」

「今回敵は約2万3千の兵力を投入したようですがそのうち1万8千を殲滅、残り5千はすべて捕虜としました。指揮官レベルの兵は私が切り殺した一部を除きすべて捕えています」

「あの敵将は?」

「大将でしたら泣き崩れながら命乞いをしてきたので気が進みませんでしたが生かしてあります」

「わかった、、、」

「今からでも殺してきましょうか?すぐに終わらせてきます」

「いや、今はいいよ。僕が後であって判断する」

「了解しました。あと今後のことですがどうされますか?食料は余裕がありますし馬には損害は出ていませんのでいつでも進軍可能です」

「ちょっと考えさせて、情報を整理したいから」

「了解いたしました。では私は軍団の指揮があるのでこれで、何か御用があればいつでもお呼びください」


 そう言ってエレナさんは立ち上がっても一度敬礼をし、自分の副官たちが待つ方へ歩いて行った。


「おっ姫様!」


 ベルトンが通りかかった。

 先鋭兵を連れて周辺の偵察に行って帰ってきたところだろう。


「ベルトン、どうしたの?」

「いや、ただ寄ってみただけですよ。偵察では何も見つかりませんでした」

「じゃあ敵は要塞にこもってるのかな?」

「恐らくそうでしょう、ですが王国の要塞は実践経験ありませんし何よりヴェスターで訓練してきた我々の障害になるものではありません」


 それもそうだろう、世界最大の軍の本拠地で攻城訓練をしてきたのだ。

 そこらの要塞には抵抗することすら難しいだろうね。

 でも人数が同数の場合は油断してられないだろうね。

 要塞を攻め落とすには3倍の兵力が必要と言われているからね。

 負傷者を下がらせればギリギリ同数くらいか、、、


「まあそこの点については考えておくよ」

「まあ敵の余剰兵力は開幕戦で叩き潰しましたしゆっくり考えてください。俺たちは酒でも飲んで待ってます」

「まだ昼ですよ」


 ベルトンの話を聞いてリールが割り入ってきた。


「お酒は帰ってからにしてください」

「りょ、了解ですぅ」


 リールの眼光にすっかりベルトンが委縮している。


「それより、二人は進軍継続するべきだと思う?」


 このままでは一般の兵にまで禁酒例が下りそうなので急いで話を変える。


「そうですね、私は殿下の判断に従うのみです」

「俺は継続するべきだと思いますぜ。うちの兵はみんな賛成してるし」

「わかった、ありがとう。判断は明日の朝にでも出すよ」

「了解です」

「じゃあ俺はもう一度偵察言ってきます」

「うんじゃあまた後で」

「ういっす」


 ベルトンがそう言うと馬に乗ってまた森に駆けて行った。


「殿下、そろそろ夕食のお時間です」


 話が弾んでいたからか沈みかけた太陽にきずかなかった。


「もうこんな時間か~早いな~」

「今日はいろいろありましたからね。」

「夕食はどこ?」

「天幕にそろそろ運ばれてくるかと」

「じゃあ行こう!リールも一緒に食べよ」

「ダイエット中なんですがね、、、まあいいでしょう。行きましょう」

「うん!」

次話投稿は日曜日になりそうです。

遅れてすいません


読んでくれてありがとうございました!



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