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17話 会談

ドサッドサッ


 人間と同じくオリハルコンが混ぜ込まれた馬鎧を着た愛馬で敵将が待つ平原中央に向かっていた。

 正直わくわくしている。

 2年ぶりの戦闘を任された敵将がどのような人物なのか。

 

「殿下~!」

「姫様ちょっと待ってください!」


 後からベルトンとリールが追いかけてくる。

 勝手に飛び出してきたから相当焦っている。

 少しスピードを落としてリール達と合流する。


「殿下、一言言ってくれてもいいじゃないですか!」

「えへへ、ごめんごめん。2年ぶりだから少し楽しくてね」

「殿下はこの軍の総指揮官であらせられます。せめて護衛連れてきてください」

「わかった、今後はそうするよ」


 リールの注意を少し聞いた後敵将の顔がよく見え、話せる位置に来た。

 敵将は金をあしらった派手な鎧を着ていて対照的に護衛はぼろぼろの皮鎧を着ていた。


「大将は誰だ?」


 敵将が話しかけてくる。

 敵将は20代くらいの金髪の男だった。

 恐らく態度からして貴族だろう。

 、、、今回は前回ほど楽しくはなさそうだ。

 恐らく弱い、この指揮官は弱い。

 今回が初めての戦場だろうし優秀な副官もいなさそうだ。


「そこのお前か?」


 ベルトンを指で指して言った。

 恐らくベルトンのことを指揮官だと思っているのだろう。

 まあ普通はそう考えるよね。


「いいや、俺はただの軍団長だ」

「そっちの女騎士か?」


 ベルトンが否定するとリールのほうを向いた。

 さっきベルトンに言った時より馬鹿にしているような声だ。

 王国は帝都と同じく性別を重視する社会だからだろう。


「そのようなわけないですよ」

「はあ?他にいないではないか」


 敵将が馬鹿にした声で言ってくる。


「僕だよ」


 埒が明かないので名乗り出た。


「馬鹿にするな!こんな小娘が指揮官なわけないだろう!」


 敵将が切れ散らかしている。

 本当なんだけどな~


「僕はベルヘルツニア帝国第五皇女にして北部軍総指揮官代理、カーナ・フォン・ベルヘルツニアだ」


 なるべく威厳を出そうとしたけどできたかな?


「っ!」


 敵将は驚いているようだ。

 まあ13歳の少女が2万の総指揮官なんて前例がないからね。


「馬鹿にしやがって!2年前の当てつけのつもりか!」


「本当なんだけどな~」


 どうやら意地でも信じくれないようだ。

 初陣の相手が13歳の少女だなんて不名誉極まりないとでも思っているのだろう。

 敵将が背を向けて帰り始めた。

 

「一つ、」

「あ?」


 ガラの悪い返事を返してきた敵将に続けて言う。


「一つ忠告しておくなら今すぐあなた一人で王都に逃げ帰ったほうがいい。そのほうが君の国のためになるよ」

「っ!捕虜にして引き回した後売り払ってやる!」


 そんな捨て台詞を吐いて行ってしまった。

 やはり貴族出身の指揮官はこんなものか、、、

 どうせ身分で上がってきたんだろう。

 残念だ、前の敵将は立派だったのに。


「殿下、、、」


 リールが話しかけてくる。

 暴言を吐かれたから心配しているのだろう。


「大丈夫だよ。僕たちも行こう」

「はい、あと、、、」

「なに?我々がどのような状況だろうとも命を捧げお守りします。ご心配なく」

「ありがとう」


 敵と対峙して暴言を吐かれるのは何気に初めてだったため少し心が落ち着かなかったからリールがそう言ってくれて少し安心した。

 僕たちは本陣に戻った。

 本陣に戻った頃には敵が動き始めていた。


「敵は多い騎兵を生かし、突撃してきます」


 もうすでに突撃の陣形を作り始めている。


「ちょうどいい、今回はほとんど重装歩兵で構成してきてるから正面から叩き潰そう」

「了解しました。例の陣形を展開しますか?」

「そうだね。それじゃあ、、」


 大きく息を吸って馬を高台で一番高い場所に移動させた。


「全軍!ファランクス陣形!友に肩を預け敵を粉砕せよ!」

「北部!北部!北部!」

「北部!北部!北部!」

「北部!北部!北部!」

「北部!北部!北部!」


 僕が大声で全軍に叫ぶとみんなが掛け声で返してくれた。

 掛け声が平原中に響いた後全軍が一糸乱れぬ動きで集まり始める。

 足音が鳴り終わると5000ずつ、計4つの部隊に分かれていた。

 5000の兵士が肩がぶつかるほど密集して大きな四角い盾と槍を構えていた。


「やはりいつみても壮観ですね」

「うん、5000人が群ではなく一つの生き物のとして戦うからやっぱり見た目は威圧的だよね」


 そう、この2年でいろいろな陣形や戦術を作ってきたがこのファランクス陣形以上のものはない。

 このファランクス陣形は5000人1グループとなって肩がぶつかるほど密集して集まりそれぞれの兵士が右手に槍を、左手に大盾を持つ。

 左手の盾で左隣の味方を守り、自分も右隣の味方に守られることで右手の槍を存分に使える。

 そのうえで同一の歩調で寸分たりとも違わない動きで進んで行く。

 盾は隣の兵の盾と一部重なるためそのため見た目はまさに迫ってくる壁、いるだけで敵の士気を落とすことができる。


「では殿下、行きましょう!」

読んでくれてありがとうございました!



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次回投稿は火曜日になります。

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