1話 あの日(未完成)
君にどうしても話したいことがあるんだ。君がいつか、この世界を救うこととなるからだ。えっ、なぜ、僕が世界を救うことになるんですかって、それは君の使命であり、ある人と君の約束だからだ。詳しいことはあとで話すよ、本題に戻ろう、なぜ世界がこんな風になってしまった成り立ちを。
それは俺が君の年くらいの話だ、俺が目を開けると辺りは暗闇が広がっていた。そして、かすかに音がしていた。よく聞いてみたら、人の声だった。
「光太、光太」
俺は声をする方に顔を向けた。
「だっ、誰?」
訪ねると急に光が俺の顔を照らした。俺はその光に向かった。近付くとともに光の中に人影らしいものが見えた。
「光太、世界を変えるのよ」
と聞こえた瞬間、光が急に目が開けられないほど眩しくなり、強い風が吹いた。その人影は光に飲み込まれるように光の方えと歩いてっ行った。
「まっ、待って」
俺は手を伸ばしたがその人影には手が届かなかった。僕は風に飛ばされ、暗闇に飲み込まれた。気が付くとそこは俺の部屋だった。
「夢かあ」
と言ってベッドから起きた。
今は2055年、俺の名前は無戒 光太、12歳だ。俺が住んでいる島は人口増加対策のためにアメリカと日本が協力して作られた人工島だ。その島の名はクルパレ島だ。
服を着替え終えると、
「お兄ちゃん、ご飯できたよ」
と下の方から声が聞こえた。
「今、行く」
そういって俺は自分の部屋のドアを開け、階段を降りた。下に降りると机にはトーストと目玉焼きと牛乳が置いてあった。
「おはよう、久留美」
ともう椅子に座っていた少女に挨拶した。
「おはよう、お兄ちゃん」
俺をお兄ちゃんと呼ぶ少女の名は古葉 久留美、10歳、俺をお兄ちゃんと呼ぶけど実は俺と久留美は血は繋がってないんだ。
どういうことだというと、遡ること4年前、お父さんが仕事から家に帰ってきたら、お父さんの横に見知らぬ少女が立っていた。
「お父さん、この子、誰?」
とお父さんに訪ねると、
「この子は今日からこの家に住むことになった」
とお父さんに言われた。
詳しいことをお父さんに聞くとお父さんはこの子のお父さんの仕事仲間で親しい間柄であった。ちなみにお父さんの仕事はどうやら、軍の仕事らしい。
この前にあった任務でそのこの子のお父さんは死んでしまった。その子のお父さんが死ぬ直間に
「どうか、娘を頼む」
と言われたらしい。
どうやら、この子のお母さんはこの子が生まれた後すぐに死んでしまったらしい。俺も生まれてすぐにお母さんが死んでしまったとお父さんが話していたのでそこは俺と同じだと思った。
最初のほうはあまり話せなかったけど今は家族のように話しかけれるようになった。そして、いつの間にか、久留美は俺のことを「お兄ちゃん」と呼ぶようになった。
ご飯を食べていると久留美が
「お兄ちゃん、お父さんって今日の夕方ぐらいに帰ってくるけ?」
「うん、そうだよ」
久留美の質問に俺はそう答えた。お父さんは仕事で一昨日から家にいない。「明後日の夕方ぐらいに帰るよ」とお父さんが言っていたのでその明後日が今日なので今日、お父さんが帰ってくることになる。
そんなことを考えていたら、
「そういえば、お兄ちゃん、今日、お昼過ぎに友達と遊ぶ約束していたっけ?」
「あー、そういえばそうだったな久留美、お留守番できるか?」
「もう、お兄ちゃんたら、まだ私を幼い子供扱いするんだから、留守番ぐらい出来るんだから」
「ははは、そうだったな」
と俺は苦笑いしながらご飯を食べた。
お昼過ぎ、
「んじゃ、行ってくるわ」
「夕方ぐらいに帰ってくるのよ」
「了解、じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい、お兄ちゃん」
俺は家を出て友達との待ち合わせの場所え、向かった。
島は今まで通りの平和だった。この平和は一生続くと思った。そう、あのときまでは...
俺は待ち合わせの場所まで走った。辺りを見回すといつもと変わらない町の風景があった。
ちなみにこの島はどのような造りになっているかというと島の中心には東京のような都会があって、それを円に囲むように普通の町がある造りになっている。俺は島の西北の方の町に住んでいる。そんな島が俺は好きだ。
俺は待ち合わせの公園に着いた。その公園の中央にある木には見慣れた2人の姿があった。
「ごめん、遅れたか?」
「いや、俺たちも着いたばかりだ」
俺の声に黒緑の髪をした少年が反応した。
彼の名は仁野 新で俺と同い年の友達だ。
新の後ろにいる茶髪でメガネをかけた俺たちよりも背が低い少年は森谷 直木でこいつも俺と同い年の友達だ。
「皆も揃ったことだし、いつも通りの特訓やりますか」
新が気合いの入った声で言った。
俺たちがやる特訓は軍の兵士になるための特訓だ。 まあ、普通の子供の遊びだけどな。
「あのー、ちょっといいかな?」
「ん?どうしたんだ直木?」
と直木が何かを心配しているような声で言ってきたので俺は直木に向けて言った。
「僕って本当に兵士になれるかな?」
「何言ってるんだよ、直木」
直木の言ったことに少し驚いた声で新が言った。
「だって、僕、君たちより運動神経ないんだもん」
「何や、そんな理由か」
直木の言った言葉に新は慰めるように笑いながら、言った。
「そんな理由って、兵士には運動神経は大切なんだよ!」
直木が新に言った言葉に反論した。
「まあ、確かに兵士には運動神経は大切やけど、お前にはここがあるだろ?」
新はそう言いながら、頭を人差し指でコンコンとした。
「直木は俺たちよりも頭がいい、頭がいいことは兵士にとっては大事なことだよな、光太?」
「うん、新が言っている通りだよ、敵を倒すには力も必要だけど頭を使って敵を騙して倒すほうが力を使うよりも簡単に倒せるってお父さんも言っていたし、だから、直木は兵士になれるさ」