[4日目 夜]後編
「着替えて来ましたが…」
「おっ、似合ってるじゃん!座って座って!」
ログハウスのテラスの淵をポンポンと叩く。プレゼントした服は浴衣だった。黒島さんにはルナの分だけで良いと言ったのに
「何を言いますか!ちゃんと一緒に同じ雰囲気で見てあげてください!いえ、見てあげなさい!」
ここまで言われたら断るわけにもいかない…俺は乗り気じゃなかったからか、あなたの浴衣料金は私が出します!とまで言う始末…黒島さん、何があった…。
俺はポケットから携帯を取り出す。
「準備出来ました」
『分か…ま…た。…は始め……ね』
この地域、ギリギリ圏内なのだ。電波は悪く、聞こえはかなり悪いが。
ヒュー
ドン!ドン!ドン!
頼んだのは他でもない、夏の風物詩、花火だ。
「ご主人様!空が光りました!今、夜ですよね!?なんでお空が光るのですか!?」
大興奮だった。それもそのはず。黒島さん…プロ顔負けっすよ…。
「あれは花火って言うんだ。見たことなかった?」
「はい!このような綺麗なもの、初めて見ました!」
そうだろうそうだろう。ここら辺で花火とか、自殺行為だ。森が焼ける恐れがある。そこで黒島さんに頼った。黒島さんは開けた場所を知っている。だってこの森を毎日のように走行するのだから。
「花火が上がったらね、こう言うんだよ。たーまやー」
「??…た、たーまやー」
微笑ましかった。その花火は10分間くらい上がった。もう9時か…楽しい時間は早く過ぎるのだった…。




