[4日目 夜]前編
「くはーっ!」
ヤバイ、足が棒になるとはこのことか。頼みすぎた、さすがに賄いの量じゃない…。用意してくれた黒島さんには頭が上がらない…。ログハウスの庭にそれを置く。準備完了だ。
「おーい、ルナー」
「はーい」
ルナが駆け寄ってくる。かわいい…
「今日はルナも誘ってバーベキューだ!」
「…ぁー…すいません…私、食べ物もすり抜けてしまい…」
ふっふっふ…無策とお思いかね?
「ルナは普段着替えはどうしてる?」
「きっ、きがっ!?」
顔を赤らめる。あ、こっちは無策。
「えっと…その…服に憑依して、顔など実態を具現化?してます」
「よし、俺に憑依してみろ!」
バッと手を広げる
「えっ!?人間に憑依なんてやったことないし、どうなるか分かりませんよ!?」
「大丈夫だ、俺が保証する。…信じられないか?」
「…ずるいです、ほんと」
ルナが体を寄せる。
「ちょっとでも苦しかったら言ってくださいね、私なんかより、ご主人様の方が私は大事です」
「分かった。始めてくれ」
「では…」
変にお説教とかはしない方が良いだろう。目を閉じる…
意識が外に出る。なるほど、俺は生き霊となるのか…目の前にはむさ苦しいおっさんが立って、手を見たり、自分の体を弄ったり、ズボンに手をかけ…
「ちょちょちょ!ストップストップ!!」
慌てて止めた。
「…ご主人様だ…私が…ご主人様…」
あぁ、ややこしきかな。そしてルナ…元俺は涙を流す。ちくしょう、しばらく泣かず記録更新中だったのに…
「よし、肉焼こう肉!」
「はい!」
ボロボロ涙を流してニコッと笑うおっさんがいた…うわぁ…。
「ご飯なんて、味わったのいつぶりでしょう…」
憑依も解き、姿を戻したルナは呟く。
「美味しかった?」
「はい!とっても!」
ニコッと笑うのはやはりルナの顔でなければ…。
「今日はありがとうございました。私はとても幸せで、愛に満ちております…今日はどうもありがとうございました。」
ぺこりと頭を下げるルナ。
おっと、今日はまだ終わらない。メインイベントを残しておいたのだ。包み袋を手渡す。
「ちょっと、着替えてきて」
「…見ないでくださいね」
苦笑して渡す。直接渡せないのが残念だが、また憑依してもらうとしよう。夜はこれからなのだから…




