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夢の中の少女の求めるものは  作者: まぐろどん
28/43

[4日目 昼 仲直り]

ルナ過去語り

「えっと、話をまとめようか」

「はい」

「俺は、ルナに出てけと言われたから、迷惑だと感じて出て行こうとした」

「はい」

「でも、ルナが言ったのは俺にではなく、霊に対してだった」

「はい」

「で、ルナは雨の中、風邪をひかせてしまって呆れられたと思った」

「はい」

「でも俺は呆れてなどいなかった、と」

「??」

おい、そこははいと言え。

「ルナ、こんな時の妥協案って何か分かるか?」

「切腹ですか?」

「頼むから妥協してくれ…いいか?せーのでお互い謝るんだ。順番はダメだ、色々とモヤモヤする」

「はい」

「それじゃあ、いいか?」

「はい、いつでも」

「せーの」

「「ごめんなさい!!」」



「ご主人様?」

「ん?」

「私の話をしても良いですか?」

「あぁ、是非聞きたい。」

「では、僭越ながら…私は生まれてから憧夢夜と名付けられました。アラビア語で人形という意味です。私の親は私を物としか見ていなかった。私は引き取られてすぐに虐待を受けました。その傷が背中の痣です。私は学習して、相手の顔を伺うばかりになりました。周りはこれで優しくしてくれると思ってました。しかし、結果は気味の悪い人と見られるだけでした。笑っちゃいますよね、人の事を思ってやったのに、自分には仇でしか返ってこない。両親にも、祖母にも、教師にも、同級生にも嫌われました。きっと早くに亡くなった祖父も、生きてたら私を嫌ったんですかね…。そんなある日、私は図書館で本を読んでました。図書館は素晴らしいです。私の数少ない逃げ場でした。私はある日、とある本と出会いました。その本には、「生きていてダメな命なんてない」と書かれていました。私は欲深い事に、身近な人とそれを共有したいと感じました。母からは「バカにしてるのか」と怒られました。父からは無言で火のついたタバコを押し付けられました。祖母は見るなり「本なんて作り話の世界だ」と一蹴しました。教師にも同級生にも見せる前から門前払い。帰ってくるなり、母は私を抱き上げ、本を奪い取り、燃やしました。私はその日、全力で謝りました。私こそ、生きていてダメな命なんだ、と語りました。

それから数日後、母から森へ散歩に行こうと連れられて行きました。そして森で私を置き去りにしました。そんな時、私はある1人の男性と出会いました。森に不似合いな喪服にも似たスーツ。シルクハットのような帽子にステッキ。ふざけてるのか、と思いました。私は既に空腹で死にそうな状況でした。もう3日も放置されてましたから。彼について行く他ありませんでした。辿り着いたのは一軒のログハウス。そこで彼は私に色々と教えてくれました。そんな中で1番興味をそそられたのは、愛というものでした。人間は親から愛を受けて育つ。それを繰り返し、命は繋がっている。とおじさんは語りました。

ある日、私は高熱で倒れました。おじさんは手を尽くしてくれたようですが、最後には「救ってあげられなくて、ごめん」と何度も何度も謝るだけでした。それもそのはず、彼は幽霊だったのですから。私は彼がいたから、嫌な気はしませんでした。おじさんは、何か欲しい物があるかと訊きました。そこで求めればおじさんを困らせる事になる。私はそこで何も無いと言うべきでした。しかし、私は求めてしまいました。


「愛を…ください…」


おじさんは困ったような、驚いたような表情をして、再び泣き出しました。私は察しました。あぁ、この人でも、愛は貰えないのかな、と。

そして私はこの屋敷に住み憑く地縛霊となったのです」

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