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[ルナの激情]
私は人の通れる道を全速力で先導する。黒島さんが付いてきてるかチラチラ確認しながら。
「ここです!」
ログハウスに着く。鍵は無用心にも開いていた。私はすぐにご主人様の元へ向かう。人目なんて気にしない、扉抜け、壁抜けフル活用で最短ルートでご主人様の元へ。遅れて黒島さんがやってくる。
「き、君は何者なんだね…?」
「そんな事よりご主人様を!」
息絶え絶えです。大丈夫でしょうか?この人。
「………あぁ、ただの風邪だね。大方、大雨の中ヌシ釣りでもしたのだろう。寝れば治る」
「あぁ…あぁ…」
崩れ落ちる。何故?安心さ?罪悪感?嬉しさ?悲しさ?…全部だと思う。
「ところで、もしかして君の服…いや、なんでもない。この人も飛んだお人好しだ」
「はい…はい…」
思考が回らない。感情が溢れ出す。分からない。この人が何を言いたいかも…
「君は幽霊か。私でも見えるとは珍しい。よし、良いもの見せて貰った。治療等は引き受けよう」
「ありがとうございます!あびがどうございばず…」後半、完全に涙が溢れた。あぁ、嬉しいのかな、私。




