[ルナの3日目 光]
ルナ視点ー
彼は部屋に戻っていった。目には気力とかが感じられなかった。妙な不安を覚える。私は少しだけ、チラッと覗く事にする。お年頃の女の子だし!仕方ないよね!うん!
そっと覗く。そこには床に倒れ伏せているご主人様がいた。
「ご主人様!ご主人様!ご主人様!」
あぁ、こんな大声出してはしたない…。時計の針は…5時を指していた。
「ベッドに上げないと!」
ご主人様を担ごうとする。しかし、手はすり抜ける。
「こ、氷は!?」
確か具合の悪い人に氷を差し出してた姿を見たことがある。下の階へ駆ける。
「冷凍庫…これだ!」
取っ手に手をかけ、思いっきり引く。私の力では重いだろう。一所懸命に…。しかし、思惑は外れ尻餅をつく。冷凍庫すら開けられなかった。
「うっ…ひっぐ…」
泣いてる場合じゃない…じゃないのに…
「…ご主人様…」
時計を見る。丁度針は直線に。確かこの時間、ご主人様は誰かと会っていた!急げ!急げ!いつまでも待ってくれるとは限らない!急いで!壁をすり抜け、ドアをすり抜け、湖を横切り、枝をすり抜け…しかし私は何かにぶつかる。結界だ。地縛霊の行動範囲ギリギリまで来てしまったようだ。
「うぇぐ…ひっぐ…ごしゅじんざばぁ…」
情けない。これほどまで幽霊だった事を悔いたことがあっただろうか。私はいつも何か、どこかで失敗する。今回もそうだ。ハッピーエンドまでもう少しだったじゃないか…あぁ…情けない、虚しい…誰か…助けて…
「お願い…助けて…」
「任された」
そこには、いないと思った人がいた。いや、霊がいた。
「おじさん…」
「はは、おじさんはやめたまえ。で、私に出来ることは?」
「近くに人間がいると思うんです。なんでもいい、ここまで、いや、この近くまで連れてきてください」
「任された。それで君が幸せになるのなら、私はなんだってしよう。それが私の償いだから…」
おじさんは森へと消えていく。そして数秒後、おじいさんが走ってくる。胸にネームプレートで黒島と書いてある。
「ど、どうしたのかね!?君!?」
「お願いです!人が倒れてるんです!助けてくだざい!」私は最後の最後に泣きながら話す。あぁ、ホントに締まらないな…。




