[3日目雨上がれ]
ログハウスを飛び出す!なるほど、今まで扉を開けてきてくれなかったのは遠慮とかじゃない!開けられなかったんだ!くっそ!なんで気付けない!!後でじっくり自分で反省会だ!!とにかく今は探さないと!あの子の足ではいくら壁抜けできようにも速さに限度はある!あの子は確かに足で走ってた!浮遊して飛ばれるんじゃなければまだ探しようはある!
「おーい!ルナちゃーん!さっきはごめん!君とお話ししたいんだ!返事をしてくれ!出てきてくれ!頼む!!」
返事などあるはずない。当然の報いだ。なにせ、彼女の下着姿に飽き足らず、彼女の知られたくない秘密を2つも暴露されたのだ、俺なら…俺だったらどうする?隠れる場所、木の陰?いや、ここの木は全体的に細い。湖の中?くっそ!探しようがない!ならば…
「…見つけた」
ログハウスの裏、その幼女は丸くうずくまり、心に壁を作ってた。あぁ、この子は濡れてない。雨水すら通り抜ける。ただ、地面だけは踏める。天に昇りたくても昇れず、地に落ちたくても落ちれない、足元には未練という靴があるのだろう。この子の未練はなんだ?こんな良い子が抱える未練は?痣がやはり関係してるのか…?親か…もしくは親戚、同級生かもしれない。その人に復讐がこの子の未練か?…分からない分からない分からない分からない…俺は上着を脱ぐ、半裸の変態?なんとでも言え。俺は心だけでも、彼女が濡れないよう、そっと上着で簡易な傘を作る。しかし一人用、俺は濡れる、知ったこっちゃない。当然の報いだ。というより、こんなんではまだ、足りない。
「何があったのか、話してくれない?」
「…」
俯いたまま、答えてはくれなかった。
「そっか。なら、俺の身の上話でもしよう。」
「…」
「俺はね、生まれてこのかた幽霊とかが見えないんだ」
「…」
「いや、正確には見えなかった」
「…」
「そのせいで、幽霊トークとか、怪談、ホラー系の話にはついていけなくてね」
「…」
「いつか俺も幽霊とか見てみたいな、てそんな風に思ってた。」
「…」
「幽霊ってどんな見た目だろう、どんな恐ろしい生き物…死に物なのだろう、俺にも見えるくらいの未練を抱えてたら、その未練はなんだろうって」
「…」
「そして俺の目の前に幽霊が現れた」
「…」
「炊事、洗濯、掃除、なんでも出来ません!とか言い出すようなガキだったよ」
「…」
「俺もこんな小さい子が幽霊な訳ない。増してや未練ダラダラな子なはずないってどこかで決めつけてた。」
「…」
「いや、願ってたのかもな、こんな良い子が、こんな幸せな子が未練なんて抱えてないでほしいって」
「…ない。」
「ん?」
「幸せななんかじゃない!良い子でもない!私は嫌われたくなかった!また1人にされるんじゃないかと思った!必死に!必死に!必死に必死に必死に必死に必死に!愛されたいと願う事なく!嫌われたくなくて!あなたみたいな良い人と離れたくなくて!隠してきた!隠してきたの!……」
「…」
「…」
「…」
「…ごめんなさい、こんな私、嫌いに…なっちゃうよね…ごめんなさい、ごめんなさい…」
俺は抱きしめる姿勢を取った。ルナちゃんの後ろが壁で助かった。つまりは壁ドンの姿勢。直接触れ合えないけど、これで少しでも安心できるなら…いや、俺だと安心出来ないか…そう、だよな…体をゆっくり離し始める
「…辞めないで」
見るとルナちゃんはぼろぼろと涙を流していた。
「…離れないで」
その声は普段の元気な声とかけ離れた、弱く、細い声だった
「………見捨て、ないで…」
「大丈夫、見捨てたりしない。大丈夫、大丈夫だから。俺は、ルナを見捨てたりしないから。」
「…うん、うん…」
側から見れば半裸の男と下着の女、簡易の傘は投げ捨てられ、男が傘になる、異様な光景だった。黒島さんが見たら変態だと言うだろう。それがなんだ、今の俺はこの瞬間が幸せなんだ、変態でも、変質者でもなんとでも呼ぶと良い。ただ、この瞬間は幸せなのだから。
「もう少し、このままでいてくれますか?」
「いいよ、ルナ、満足するまでいてあげる」
「…ありがとう」
ルナは涙を流しながら笑った、その笑みは、いつものような笑い方ではなく、心の底から、嬉しさをにじませた笑いだったと思う。
「ルナに愛を…教えてください」
「喜んで」
そのままの姿勢で約5時間。2人は抱き合っていた。交わることの無い手で、ただただ、重ねるだけ、それでも、俺は、俺達は幸せだったんだと思う。
その後架った虹を俺は忘れることはないだろう。
まだ続くんじゃ
R18展開は無いのでご安心を。愛を教えてっていうのは意味深じゃないですよ!?




