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[2日目夕方]
「いやぁ、どうです?ヌシは釣れそうですか?」
黒島さんが賄いを持ってきてくれる。
「ははは…まだこれからですよ」
2日間続けて釣りをし、この結果。当然釣れると思ってないが、気力は削れるもの。
「元気出してくださいよ!ほら、お届けものですよ!」
包みとレシートを渡される。あぁ、服頼んでたな。手元の財布から万札を取り出す。レシートは見ない。フッ、カッコつけさせてくれ、こうでもしないとやってられないんだ
「釣りはいりませんよ。」
「いえ、あの、すいません」
「なんの、普段良くしてもらってるお礼です。お納めください。」
「いえ、そうじゃなくて」
「ふふ、足りなかったですか?」
「あ、はい、あと2枚ほど」
「お礼にそこまでねだるとは、あなたの欲深い人だ」
「いえ、そうではなく、そろそろレシート見てください」
「確認作業か、いいでしょう」
レシートを見る。3に0が付いている。なるほど30000円ね…三万円!?
「あの…すいませんでした。」
「いえ、お疲れなのでしょう、ごゆっくり…」
「はい、ヌシ、頑張りますので…」
カッコつけるとダサくなる…教訓になりました