[2日目昼]
相変わらずよく釣れる。霊さえいなければ人で溢れかえるだろう。…いや、人がいないからこそか?
しばらくすると可愛らしい音でも出そうな走り方でルナちゃんがやってくる。
「ご主人様、どうです?釣れてますか?」
「うん、釣れてるんだけど、釣りたい魚は釣れてないかな」
「ほぉ、釣りたい魚ですか?」
「そう、今回はそのために来たんだけどね。」
「それは一体どんなお魚で?」
「俺はヌシって呼んでるんだけど、とても大きくてね、あれは6mはあると思うね」
「え…私、そんなお魚見た事ないですよ?」
「だからこそ釣りたいんだ!ジンベエザメにも負けず劣らずの巨大ザメかもしれない!」
「…ジンベエザメ?」
「あぁ、今生きてる魚の中で1番大きな魚。大きいのだと10mもあるんだ」
「なるほど、そんなに大きなお魚が…その竿で釣れるものなのですか?」
「大丈夫!この竿はちょっと特別でね、重たいけど、かなり頑丈なんだ。鮪やカジキなんかも一本釣り出来るんだよ」
「凄いんですね…応援してます!」
「そうだ!無事にヌシ釣ったら一緒に行こうよ!ジンベエザメ見にさ!」
「あっ……えぇ、そうですね」
ルナちゃんは歯切れ悪く微笑んだ。あぁ、そうか、黒島さんから許可取らないといけないか…うーむ直談判でいけるものか…
時計の二本の張りがてっぺんを指す。しかしヌシは釣れず、昼休憩とすることにする。
「ルナちゃん、昼ごはんに…」
ルナちゃんの姿はそこには無かった。先に帰ったのだろう。今日の気温は体感34度、日陰でこれだ。仕方あるまい。1人で釣った魚を焼いて頬張る。その間、釣り糸は垂らしていたが、ヌシが釣れることは無かった。




