[0日目深夜]
ご注意
※この作品には残酷な描写が登場します。
※フィクションです。実在する個人名、地名等には一切関係ありません。
※初投稿です。拙い、下手な文でも笑って許してね
※完結しました!
今俺は車に乗っている。目的地はとある湖。そこは世にも珍しい海水が流れ込む湖で、海の魚がよく釣れる。そこへ行くには日に2本、朝と夕方にしかないバスに乗り、獣道かと疑うような道を進まなければならない。そこは景色も悪く、不気味で、来る人は皆口を揃えて「幽霊が出た!」と叫び出す、そんな場所だった。
俺はそんな場所に足繁く通う珍しい人の1人だった。………というか、足を運ぶのは俺1人だった。バスの運転手の黒島さんは週2.3度来る俺を運び、そして戻る、そんな毎日を過ごしていた。…もちろんそれだけしかしてない訳では無いと思うが。そんな俺と黒島さんは、男2人の密室バスの中で次第に仲良くなり、今に至る。
俺には霊感というものに疎い…というかほぼ無い。みんなが心霊写真だと騒ぎ立てていた写真には何も見えないし、当然、湖の周りには霊なんぞ見えやしない。そうとう未練の強い霊じゃなきゃ見えないのだろう、霊…少し見てみたい存在ではあった。
普段のバス発車時刻は午前8時、しかし今はまだ日も跨いでない午後11時頃。なぜ今日はこんな時間からここにいるかと言えば、俺が湖を泳ぐ巨大な魚影を見たからだ。あれはヌシか何かに違いない、そう言うと黒島さんは目を輝かせ
「私の湖の近くの別荘を貸そう!しばらく放置していたから埃も蜘蛛の巣も凄いと思うがそれさえなんとかすれば、立派なログハウスだ!食材も1日1回届けよう!どうだ!?悪い話ではないだろう!?」
圧が凄かった…。小声で、ヌシで人気に、とか、ボロ儲け、とか聞こえてますよー…。それはともかく俺自身ヌシには興味もあったし、悪い話では無かった。
という事で俺は5日、泊まり込みでヌシ釣りに挑む事にしたのだった…。そして深夜、丁度日を跨いだくらいの時間帯、俺は懐中電灯を持ち、手渡された地図を頼りにログハウスへと向かったのだった…。