第2話 元おっさんエロめの神様とお話し そして転生
遅くなりました。第2話です。
……そんなあくどい顔をした神様なんて終〇のワルキ〇ーレぐらいでしか見たことないです。ハイ
「おいこら爺。神様がそんなあくどい顔してんじゃねーぞ。そんな顔したらほかの神様からの信用なくなるぞ。さすがの俺でもドン引いてるわ」
「ほかの神からの信頼なんてどうでもいいんじゃよ。必要なのは投票数じゃ。それさえほかの神より高ければいいんじゃよ」
「ぶっちゃけすぎるだろ。ほかの神様に聞かれてたらどうすんだよ。どうなっても知らねーぞ」
やがて神様は極道の兄ちゃんが大統領クラスの後ろ盾ゲッチュして今から町の征服を始めようとしている顔を、本来のひげの長い爺さんの顔に戻し、割とまともなトーンで話を戻した。
「えーと何の話をしておったかの?」
失敬、まともでもなんでもなかったようです。
「向こうで生き抜くための力を云々って話だよ」
「おーそうじゃったそうじゃった。でじゃの、向こうには一人一人に職業があるんじゃが、その中でも最も強い部類に入る職業がいくつかあるんじゃよ」
「まさかそれのどれか1つを俺に付けてやろうって根端か?」
「うむ、話が早くて助かるのじゃ。ここら辺の話は転職神でも呼んでそいつにさせようかの」
「おいちょっとまて。なんか神様でも呼び出そうとしてる雰囲気なんだが!?」
神様は懐からガラケーをおもむろに取り出し、誰かに電話をかけた。
しばらくすると雲海の向こう側から誰かが歩いてきた。女だろうか?ギリシャ神話で出てきそうな扇情的な白い服に身を包みこちらにモデルウォークで向かってきている。
((うわなんだあの格好… エロくねーか? 神様があんな格好してていいのかよ…))
((うむ、エロイだろうエロイだろう。性欲神などを除いたら神々の中でもかなりエロい部類に入るんじゃよ。わしもちょくちょく目で追ってしまうんじゃ))
「直接脳内に語り掛けてくんじゃねーーーー!!!! てか当たり前のように心を読むな!?」
「あのー初対面の人にエロイエロイ言いまくるのはよくないと思うんですけど… といいますか、世界神様私のことそんな風に見ていたんですか? ちょっと引きました」
「ま、まっとくれ!! これは何というかのう。そのじゃのう、あれじゃ!!こやつの思考に同調してしもうただけなんじゃよ!!」
「お、おい爺見苦しいぞ! 俺を巻き込むんじゃねぇ!? 一人で怒られてろ!」
「そ、そんなこと言わんどくれ! リースが怒ると怖いんじゃよ!! 頼む一緒に怒られてくれ!」
「断るに決まってんだろ!? 怖いって事前情報もらったら余計怒られたくなくなるわ!?」
一人と一柱のくだらない擦り付け合いをまるでゴミムシを見るかのような目で眺めているのが転職神:リースである。
彼女は地上に住む人間の仕事先を決める重要な仕事を担っている。
しかし、その仕事ぶりから神様界隈で知れ渡っている二つ名は荒ぶる転職魔である。
彼女の冷たい視線にさらされてもなお、その絶大なプロポーションに惹かれる神も多い。
ちなみにスリーサイズは上から91・60おっとこれ以上は許されないそうです。
「世界神様は後でたっぷりとお仕置きするとして、あなたが転生予定の骸崎零嗣君ね。私は転職神のリース。まぁそこにいる世界神様の秘書もやっているわ」
「今わしのことド変態ジジイって言わんかったかの?」
「言ってませんよ?『いやでも、』言ってませんよ?『ハイ』」
((か、完全に尻に敷かれてやがる… こんなのが世界神とか誰が信じるかよ))
世界神は自らの秘書であるはずの転職神に圧倒的圧力をかけられ、何も反論ができない状況に陥っていた。誰がどう見ても最高神の座についているものには見えない。しかしそこ見親しさを見出し他の世界神候補よりも圧倒的な神望を集めている。
「とりあえずこの変態はほっといて話を進めましょう。えーとあなたの将来的な職業の話でしたっけ? 何につきたいとか希望はあるかしら?」
「向こうの文化レベルとか全然わからないので何とも言えないですが、地球と同じぐらいでしたら、前世の職と同じでいいですよ」
「残念だけど文化レベルは地球より低いわ。どこをどう見てもあなたのいたところのほうが科学とかは発達しているわ。でも、あなたがいたところにはないけれどあちらにはあるものもとても多いわ。」
「というと?」
「例えば魔法があることよ。魔法、魔力を媒体として使う技みたいなものよ。故に、魔物もいる。魔物は動物が魔力持ち、その魔力を制御できてないものの総称よ。さらに、魔力は2つの種類があるのだけれど、人間側が持ってるのは白の魔力。基本的には魔物の中にも白の魔力を持つのはいるけれど、それらは使役可能な魔物でしかも数が少ないわ」
「ってことは使役できないのがほとんどで、基本は敵対することになるって解釈でいいのか?」
「ええ、それで構わないわ。で、もう一方の魔力が黒の魔力と呼ばれている魔力で、基本的に魔族側が持っているわ」
「基本的ってことは例外がいるってことか?」
「そうよ。例外はどんな時にでも現れるもの。人間側に極稀に黒の魔力を宿した子が生まれる時があるの。そういった子は大体悲しい運命をたどるわ」
「…殺されるってことか」
零嗣は渋い顔をして吐き捨てた。
その顔にはいまだ降り立っていないにしろこれから降り立つ世界に対する静かな怒りの感情だった。ただ1つ他の人と違うからと言って自らの子供を見殺しにする冷たく愛のない家族に対する怒りでもあった。
「白の魔力にも黒の魔力にもそれぞれ得意不得意があるの。白は光魔法が使えるものがいて、黒は闇魔法が使えるものがいるわ。でもそれは絶対ではなく、できる人がいるってだけよ」
「つまり、白でも光が使えないやつがいて、黒にも闇が使えないものがいるってことか」
「ええ、しかもこれにもまた例外がいて、白にも闇が使えるものがいれば、黒にも光が使えるものがいる。魔族の中では、光魔法が使える人は鼻つまみ者の扱いを受けているの」
零嗣は暗い顔をした。零嗣にはわからなかった。人間も魔族も、同じようなことをするのになぜ争いをするのかを。ここまで本質が変わらないなら喧嘩なんてしないだろと。
しかし神にはそんなことはお見通しだった。
「その思いは私たち神も同じよ。あなたのいた世界では人間同士うまくやっていたのを見るとそういいたくなるのもわかるわ。でも、向こうには大きな壁があるの。それは、種族であったり文化であったりと、たくさんの壁があるの」
「俺の仕事はそれを取っ払ってみんな仲良く暮らせる世界を作ることで、リース様はそのための職を与えてくれるんですね」
「そうゆうことよ『ちょっと待っとくれ!なぜリースだけ様を付けるんじゃ?わしに』世界神様は黙っててください『はい…(泣)』零嗣君には死なれたら困るから、必然的に最上級職なるとして、問題はどれするかね」
「ちなみにどれぐらい種類があるんですか?」
「ざっと10種類ほどね。人間の中には家系ごとに職業に縛られているものもいるのだけれど、そういった家系の血筋を掛け合わせてさらに強い職業を生み出そうとしているところもあるわ」
「てことは常にこれが最強ってものはないのか」
「そうね、今のところ人気があって強いのは剣聖・剣豪あたりかしら?剣聖は騎士系の最上級職で、剣豪は侍系の最上級職よ。」
ここで一度職業について詳しい説明をしておこう。
職業にはいくつかの級に分かれている。上から最上級・上級・中級・初級である。
これらの中には生産職と戦闘職が混在している。傾向としては、生産職は基本は上級が最高であるが、まれに、その仕事を極めた熟練者にクラスアップと呼ばれる神からの祝福を受け、さらに高見の職に上がることがある。
戦闘職はクラスアップが行われることはほぼない。しかし、その代わりにジョブチェンジすることができ、神殿にて、自分につくことのできる職業を再び選ぶことができる。((いわばダー〇神殿である
というのが人間側での考えられ方である。実際はそうでもないのである。
ジョブチェンジの制度はそれを望む者に向いているかどうかではなく、完全に転職神:リースが決めているのだ。その者についている神や精霊の祝福を見て、そのものができそうだな~と思ったものをピックアップして提示しているものである。そしてその提示をリースの信徒が受けてそれを伝えているのである。このことから、リースの信徒はそれなりの数があるため、神としての力もそこそこあるのである。
さて、そろそろ説明終わりです。本編へ戻りましょう。
「剣かー。日本では全然持ったことないな。触ったとしても竹刀とか木刀ぐらいだし。ほかになんかないか?できればそこまで危険じゃないやつ」
「危険じゃないやつと言われてもねぇ…。そもそも魔族と人間をつなぐこと自体で危険が伴っているわよ。ほかなら四属性魔法使はどうかしら?というかこれを見せたほうが早いわね」
そういってリースは1つの冊子を零嗣に手渡した。
そこには数多くの職業が載っていた。まるでカタログのようだった。いや、のようというか誰が見てもカタログと見間違えるだろう。だって表紙に女性の写真が載せられているのだから。
「これって明らかにニッ〇ンを意識してるよな!?さすがに俺でもわかるぞ…。まぁそれは置いといて、中身はどんな感じなんだ?」
そういい零嗣はニッ〇ンモドキの職業カタログを眺め始めた。
しかし、読み進めるもなかなかしっくりくるような職は見当たらず難儀していた。
すると、パラパラと流し読みをしていた手をふと止めるとその職を読み始めた。
「なぁ、俺、この職業がいい。なんか、呼んでる気がするんだ。」
「呼んでる?少し見せてもらってもいいかしら?」
リースはおもむろに零嗣の隣に座りこみ、開いてあるニッ〇ンモドキを覗き込んだ。
「これって…。フフフ 面白いことになりそうね。わかったわ。これを天職として授けます。よし、これで私の仕事はおしまい。あとはそこの変態ジジイの話を聞いておきなさい。それじゃあね零嗣君」
「リースお主遂にルビすらもつけなくなってしまったのか…。そろそろ仕事の潮時かのぉ。あれ?なぜか目から鼻水が…。おかしいのぉ」
そう言ってリースは立ち上がりニッ〇ン片手に雲の向こうに消えていった。
「さて、職業も決まったことだし、そろそろ持っていくものとかも決めていこうかの?」
「向こうに持ち込みもアリなのか…」
「そりゃそうじゃよ。まぁ持っていくといっても、おぬしは向こうでは赤ちゃんとして生まれなおすから魔法収納にしまっておいて、ある程度魔法が使えるようになれば向こうで取り出して使えるということになるのぉ」
「持ってく物は数の制限とかあるのか?あるとなればまじめに考えるが」
「制限がなくてもまじめに考えとくれ。制限は特にないが、できれば少ないほうがいいのぉ。一度ここに持ってきてから仕舞うことになるから面倒くさいんじゃよ」
「めんどくさいってぶっちゃけんなよ。まぁ、持ってくとしたら私服かなぁ。あ、あれがあったか」
「あれ?そういえばお主銃刀法の免許持っていたな…。まさか持っていくなんて言わぬよな?」
そういって変態ジジイは零嗣を見た。そこには悪魔のような顔を浮かべていた。
「もってくに決まってんだろ?そもそも免許持ってても認められてない銃もあるんだし、向こうにあったら問題になるからな。ってわけで俺の持ってるそういった類のもの全部持っていく」
「まったく…それを認める代わりに、ほかのもんはなしじゃぞ?」
「りょーかい。っていうかそれ以外に持っていくもんがねーよ」
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数十分後
「これで向こうにわたる準備は整ったかの?向こうについたらもう生まれておるから、頑張って生きるんじゃぞ?」
「わかってるって。向こうである程度成長したら教会に行けばいんだろ?」
「そうじゃ。そこなら多少は話せるだろうからの。ではいってくるのじゃ」
その言葉を最後に俺は意識を失った。
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「おぎゃぁおぎゃぁおぎゃぁおぎゃぁ」
「奥さん生まれましたよ!元気な女の子です!」
((!?!?!?))
皆様おはこんばんにちわ。玄月レインでございます。
投稿が遅くなり大変申し訳ありません。リアルの都合上なかなか時間が取れなくて難儀してました。
さて、次回の内容ですが、なにやら不穏な空気が漂うラストでした。次回は成長期編です。
職業をちゃんと全うするのはもう少しかかりそうですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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