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プロローグ

 最期に見た空の青を、覚えている。


 いつもと変わらない、のんびりとした穏やかな光景を目におさめて、そこに残してゆく仲間たちの事を想った。


 硝煙と血と、土と汗と、戦場には場違いな甘い匂いがしていた。

 泣かないでと、彼女の涙をどうにか拭った。



 ――愛していたの。愛してしまったのよ。ごめんなさい、ごめんなさい……

 ――俺だって、君を愛してた。



 多分、きっと、出会った頃から好きだった。


 オブライトにとって、それは静かで穏やかで、初めての恋だった。

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