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9.どうやら夜中に誰か来たみたいだ?上

9話上です。9話下に繋がります。

中二病の子がメインの話

 先日、この世界の中二病患者と出会った俺だが……。


 あれから、俺は家から出るのを控えている。

 何故なら……中二病を理解してくれる同士に出会って連絡先を聞くのを忘れたなら、中二病の俺なら出会った近くで張り込むからだ。


 俺はパソコンの前の椅子に座って、この前出会った中学生くらいの銀髪の女の子の事を考える。


「俺の経験から言って、中二病はほっとくのが一番。ここは少し大人しく、部屋で何時も通りに引き篭もっておこうとするかな……。妹も最近、俺が外に出てないか怪しんでるし……」


 まさか一生中二病で、居られる訳でもないし。

 あの子もその内現実を知って、中二病を卒業するだろ……。

 それで俺の事を伴侶だのレイヴンとも呼ばなくなる筈だ。


 だがしかし……未だに本当は俺の前世はあの銀髪の女の子が言うように、レイヴン・クロウだったんじゃないかと少し期待してしまう自分が居る……。

 でも、しょうがないじゃないか、アニメやラノベでしか見た事ないような銀髪の女の子に、”お前には前世がある”って言われたら少しは期待しちゃうよ。


 ただでさえ、別の世界に来てしまった例があるんだから。

 だから、俺も少し中二病の銀髪の女の子から距離を置いて落ち着こうと思う。


 それはそれとして……俺は手元にある、マンガやアニメのDVDを見る。

 この前お店で買ってきた本やアニメを家に帰ってきてから早速中身を確認したのだが……。


 うん……思ってた通りに、この世界基準の萌えは俺の趣向と違ったかな。

 別に内容は悪くは無いんだけど……俺の欲している二次元美少女の萌とは違うんだよなぁ……。

 まあ、これだけがすべてじゃないし……もう少し、探して見るかな?あの件が落ち着いたら。


「妹も兄の部屋を、漁らないだろうし……机の中に隠しておけばいいか」


 俺はマンガとアニメDVDを妹に見つからないように、机の引き出しの奥に突っ込んでおく。

 そこら辺に置いといて妹に見つかったら、良い訳するのがめんどうだからだ……。


「なんか俺に関する事だけ、記憶力良いんだよな妹は……」


 以外にも妹は、俺の持っているマンガを把握しているみたいで……さらにこの世界の元の俺の好きなマンガを知っているようだった。

 だから……ネットで購入したわけじゃないアニメDVDやマンガなど見つかると、最近怪しまれているのにさらに怪しまれてしまう……。


 俺が机の引き出しを閉まっていると、コン……コン……コンと、誰かが窓を控えめに叩く音が聞こえた。


「んっ?俺の部屋って、2階だよな……それも夜中だし、誰だ?と言うか、変質者か?」


 パソコンの前の椅子から立ち上がり、一応……大きめのハサミを手に持ち、閉めていたカーテンを開いて窓の外を見て見ると……。


「………えっ?」


 ベランダで黒い衣装を纏った銀色の髪の女の子が、包帯巻いた右手で顔を覆って……その指の隙間から血のように赤い瞳でじっと家の中の惚けている俺を見ていた……。

 銀髪の女の子の左腕は、お腹辺りに有る。


 俺は銀髪の女の子のポーズを見てとりあえず、こう思った……うん、中二病患者が良くするポーズだね。


 不法侵入とか、どうやって2階にやって来たの?とか思う前に、銀髪の女の子のポーズが気になった。

 わざわざ俺の部屋のベランダでする事か?と、思ってしまったからだ。


 俺が何も反応しない事に不審に思ったのか、家のベランダで何故かポーズをしている銀髪の女の子はポーズを止めて窓際ギリギリまで近づいて来た。

 そして眼帯をしてない方の目で、窓越しに俺をしたから覗きこむように見てくる。

 赤い瞳が家の中の光に反射して、赤くぼやっと幻想的な光を放っていた。


「ふっ……我の伴侶たるレイブンよ。あの後我は、機関からの妨害により……精神および肉体的な苦痛を受けたが……」


 銀髪の女の子は嬉しそうに口角を上げて、俺にぎりぎりで聞こえるぐらいの小声で話始める。

 小声で話すって事は、一応ご近所に配慮してるんだな……。

 ところで、機関の妨害ってマオさんの事かな?

 この子は、あの後何をされてんだろ……。


「我が絶大なる魔の力により、機関の恐ろしき拘束を解き。その後我は、前世の伴侶で今世でも伴侶のレイヴンを普段は封印をしている全てを見通す千里眼で探し出し……」


 千里眼の所の話で、眼帯を小さな手で抑える銀髪の女の子……そうか、その眼帯の部分は千里眼を封印してる設定なんだね……。

 まあ、千里眼の設定は置いといて……実際の所、どうやって俺の住んでいる家を特定したんだろ?


「こうして、我がお主に会いに来てやったのだぞ……♪」


 照れているのか、頬を両手で押さえて顔を赤くしている銀髪の女の子。

 なんだこの、アクティブな中二病患者は……どうしようこれから。


 まだこの子は、中学生だから警察に御用になるのは勘弁してあげたいが……。

 俺が顎に手を当てて、考え事をしていると……。


 ガチャガチャ……銀髪の女の子が、窓を開けようとしているみたいだった。

 小さな手で、窓を揺らしたり。

 試行錯誤しながら、なんとしても窓を開けようとしていた。


 その行動をぼーっと俺は、見ていたら……こちらの視線に気がついたのか。


「ふむ……レイヴンよ。我をお主の部屋に入れて貰えないだろうか?」


 えっ……?入れないといけないの?

 まあ、そうだよね……このままでは、色々ヤバイ。

 俺と銀髪の女の子が。


 妹にこの状況を見つかると俺がヤバイ。

 銀髪の女の子は、この状況が誰かに見つかると通報されてヤバイ。


 俺はとりあえず窓の外で周りをキャロキョロして不安そうにしている銀髪の女の子を、中に入れるために窓の鍵のロックを外す。

 銀髪の女の子はどうやらこの状況を見られるとヤバイのは理解しているみたいで、窓の外から部屋の中に入るとホッとした表情になった。

 それと部屋に入る際、開いた窓を跨ぐので……どうしても、短いスカートだと下着がチラリと見えて仕舞う……。


「!」

「ふぅ……レイヴンの部屋はあったかいのだ♪」


 黒色のフリルのスカートから覗いたのは、水色の縞パンだった。

 さらにそこから伸びる陶磁器のように白く美しい脚。

 突然の事に、俺は驚いて目を逸らせなかった。


 うーん、妹もそうだけど本当にこの世界の女性は年頃の男に下着見られても平気なんだな……。

 俺も中二病患者を警戒しすぎて、その事をすっかり忘れてたけど……うっかり銀髪美少女の下着を見てしまった。

 俺も男なので、女の子の下着を見て動揺しないわけがない。

 元の世界では3次元なんて興味ない、俺は二次元の嫁の元に生きていくと思ってはいたが……。

 この頃の、美少女との急激な接近でそうも言ってられ無くなった。


「ふむ?」

「……っ!」


 俺の視線に気がついたのか、銀髪の女の子は俺の視線の先をその赤い瞳で確認している……。

 だが……銀髪の女の子は、不思議そうに首を傾げてそして……俺の前で見せつけるようにスカートを両手で軽く摘み……ゆっくりと持ち上げた。


「レイヴンよ……我のこれが見たいのか?」


 銀髪の女の子の縞柄の下着が露になり、俺は急いで視線を逸らす。

 チラっと見えてしまった事で、俺は身体中の血液が脈打つ感じが分かるほど興奮してしまう。

 心臓もドクンドクンと強く鼓動する。


「見たくないから、スカートを元に戻しなよ……」

「そうなのか?先ほどのお主は、我の下着を凝視していたと記憶しているが……我の勘違いだったのだろうか?うむ……良く考えたら男であるお主が、女である我の下着に興味がある筈が無い。レイヴンよ我の勘違いであった、すまんな」


 心臓に悪いな……。

 衣服の衣擦れの音が聞こえたので、銀髪の女の子がスカートを元に戻したのかと思って視線を戻すと……。


「なっ!」

「ふふっ」


 未だに銀髪の女の子は、下着を見えるようにスカートを摘んで持ち上げたままだった。

 さっきの音はフェイクだったようだ。

 銀髪の女の子はピンクの舌を出して、イタズラが成功したみたいな顔で俺を見ていた。


「レイヴンよ嘘はいけないぞ……お主は我の下着に興味津々ではないか?男の癖に女の下着に興味があったとは……前世を共に生きた我とて知らなかった。そうだ……もっとお主の事を知るために、その身体を我に……調べさせろ。嫌とは言わんよなレイヴンよ?我とお主とは漆黒の夜で既に、お互い一度身体を重ねあったのだ。身体を少し調べるくらいは造作も無かろう?」


今日は6千文字書いたので、上下に分けてみました。

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