第2話
「我は、ヘブンという世界にいてな。ある時魔王が「この青い地球を破壊しにし行ってやる」と言い出して、それでたまたまお主の部屋に来たんだ。」
「ヘ、ヘブン!?天国から来たんすか!?天使!?」と大和が叫ぶ。
「違う!天使などでは無い!Heaven Kingdomという立派な王国だ!」とエレナはまた立ち上がり剣を鞘から抜き鼻ギリギリのところで止める。
天国王国……変な名前だな…と思いながら、大和は剣の先端を見ている。
「ひいぃっ!ごめんなさい!もう余計な事はいいませんから!」と土下座をする大和。
「……頭を上げろ、少年。今回は特別に許してやろう…だが、次変な事言ったら……」エレナはその後の言葉を言わなかった。大和も大体察しがつく。
鞘に剣をしまい、また2人で話し合う。
「ところで…ヤマト…私の事を手伝ってもらってもいいか?」とエレナが聞く。
「え?手伝う?何を?」思春期なので変な方向に想像してしまう。エレナの胸をチラチラと見る。全くこの男は。
「さっきも言っただろう… ヘブンと対立しているDevil Kingdom、の魔王がヤマトの住む地球を滅ぼすと言っているんだ。だからヤマト、力を貸して欲しい。」エレナはそう言う。
デビルキングダム……悪魔王国…こっちの方が強そうだな…
「べ、別にいいけど……けど、俺、魔王と戦う能力なんてこれっぽっちも無いぞ?」と人差し指と親指をくっつくかくっつかないかくらいにしてエレナにみせる。
「運動能力、装備一式、特殊能力などははつける事ができる。」
「え!マジ!?いろいろつけてくれんの!?ならやるわ!」と大和ははしゃいでいる。
「最後まで聞け!つける事は可能たが、その代わりヘブンに来てもらわないとつける事は出来ない。それと1週間装備や能力に慣れるため私が訓練をする。」と付け加えでエレナが言ってきた。さっきまでやる気に満ち溢れていた大和は固まっている。
「そ、それって…お、俺…死ぬって事か?」と大和はエレナに聞く。
「死ななくてもいい。ヘブンは天国という意味もあるが、その天国では無い。まぁ、簡単に言えば楽園みたいなものだよ。」とエレナが答える。はぁ…真剣になってる顔も可愛い…と時々見惚れてしまう。
「死なないなら…行くよ。帰ってくるんだよね、この世界に。」ニヤついていた顔をやめ、真剣モードに入る大和。
「もちろん、帰ってくるよ。地球に住む人間たちを救うために手伝ってくれるのか。ありがとう…ヤマト…」エレナはそう言うと、目をつむり大和の頬にエレナの唇がくっつく。キスをしてきたのだった。
「こ、これはお礼だから!本気にはしないように!」と若干恥ずかしがりながら立ち上がる。「エレナ…もしかして俺の事好きになっちゃった?」と聞きたいくらいだったが何されるかわからない。言ってしまった本当に天国へ行ってしまうかもしれない。
「とりあえず、私の横にいてくれ。今から呼び出してヘブンへ行く。」鞘から剣を取り出し何かを空中に書いているようだった。書き終えると鞘に剣をしまう。しまうと同時に足元に魔法陣らしい紫色の絵が出る。
「しばらくしたらヘブンへと行く。離れてしまったら困る。手繋いでから行こう。」とエレナが言う。大和はエレナと手をつなぎ移動するのを待っている。
これって…なんかカップルみたいじゃん!誤解されそう!っていうか、魔法陣って…こういう使い方じゃないような感じするけど…まぁいいや。
周りを紫色のオーラが囲む。しばらくして、エレナの言った通りヘブンへの移動が始まった。2人の前が真っ暗になった。