お嬢様として
私はこの執事は家に仕える感覚をなんとなく理解した。
ならば私は「家」のお嬢様として命令すれば良いと考えた。
「じい。」
「はい。お嬢様?」
「私はこの家のすべてのものを受け継ぐわ。」
「はい、その通りで御座います。」
「今のままでは教育が足りないわ。経済学の講師の手配と株運営の手配をお願い。あと私のフォロー出来るように美奈子も同様の教育をさせます。これは伊集院家の為よ。」
「…すぐに手配させます。」
「じい。貴方はどうすれば伊集院家が良くなるか解る筈…美奈子はとても賢い子よ。私の妹として、私の代理として教育して頂戴。伊集院家の為に。」
執事にお嬢様として命じると、執事は目を見張った後、「はい。そのように…」と恭しくお辞儀して、退出した。
ふぅ…
私は前世?にやってみたかった事の一つに会社経営がある。美奈子ちゃんの未来を変えたなら私は将来会社経営が出来るかもしれない。私は社会問題をテレビで観る度、会社経営するならやってみたかった事が幾つかある。まだ小学生だし、今から勉強して、株運営しながらお金貯めて、会社経営してみたい。
新しい未来にワクワクする。まぁ、精神はどうしようもないから将来は狂うかもしれない。
なら美奈子ちゃんに全部移行すればいいし。
美奈子ちゃんの漫画の未来は医者だった。本当のお母さんが精神病気で苦しんでたし、異母姉も狂うから彼女なりに影響されて、救いたいと思ったのかもしれない。
それって選べた未来じゃない気が漫画読んだ時の感想だった。
最高の教育と何処へでも行ける資金が有れば美奈子ちゃんが選べる未来は多い筈。
私は美奈子ちゃんが待つ部屋に戻り、私の考えは話した。美奈子ちゃんは大変賢いので理解した上で将来はお姉様のお手伝いがしたいと恥ずかしそうに言ってくれた。
美奈子ちゃんギガカワユス…
いやいや…そうじゃなくて自分の好きな道を考えるんだよ?とギューッと抱きしめて私達は笑い合った。