初妹体験
妹…それは憧れだった…生前(?)の兄の影響で私はプチヲタクだった。ラノベ愛好家だった。ついでに腐女子でもあったが…。
いやいやいや…とりあえず妹…。
ラノベの妹は萌が詰まった生きた宝石。優しい家庭的な子もつんつんツンデレな子もいい。ツルペタも、ムチムチもいい。
そう…最大は可愛い…KAWAII事が最大な条件だ。(大事な事なんで2度言いました。)
私の異母妹…美奈子ちゃんは最大級の萌が詰まった宝石だった。
艶サラなおかっぱ黒髪で、潤んだ大きな瞳、形の良い鼻にピンクでぷるるんとした花びらみたいな唇。細く華奢な白い肌の身体。
美奈子ちゃん…漫画の時も可愛いなぁと思ったけど、小さい頃は涎が垂れそうな食べちゃいたい位な可愛らしさ…
私の熱視線に、美奈子ちゃんはちょっとビクッと怯えたように自分と同じ位の大きさのぬいぐるみをギュッと抱きしめ、上目遣いで此方を見る。
やべぇ…やべぇよ…お兄さん。完璧な萌妹だよ。兄さん…こんな妹ですまんかった。
私は欲深い感情を深呼吸で抑え、美奈子ちゃんにニコッと微笑みかけた。決してにやけた笑みを晒した訳でない筈。
「美奈子ちゃん。私、お姉ちゃんなのに何もしなかった。寧ろ酷い事した。沢山謝りたいし、私を美奈子ちゃんのお姉ちゃんにして欲しいの。お姉ちゃんにして貰えるかな?」
私は打算的的に誠実に、美奈子ちゃんに優しく語りかけた。
美奈子ちゃんは今にも零れ落ちそうな涙に潤んだ瞳をジッと此方に向けて、鈴のように可憐な声で私に聞いた。
「本当に…?お、お姉ちゃんになってくれる…?」
震える此方へ伸ばす小さな白い手に、グワッと感情が盛り上がった。
母親を無くしたばかりで敵だらけの家で健気に頑張ってた美奈子ちゃん…!何度、漫画で大人達に説教したかったか…!何度美奈子ちゃんを抱きしめたかったか…!
今の私には出来る…!
私はギュッと美奈子ちゃんを抱きしめた。
「うん、お姉ちゃんって呼んでね?私と美奈子ちゃんはたった2人きりの血の繋がった姉妹なんですもの。」
美奈子ちゃんのサラサラな髪を撫で、抱きしめながら、私は最高の萌系妹を手に入れた実感を得たのだった。