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執事に頼んだ手紙にて、今、私はお父様とお母様と二人揃って対面している。
緊張感漂う二人、久々に会った娘の前で気にしているのはまずお互いの距離感に見える。
あれ…?これっていけないかな?
二人はまだ喧嘩してお互い気にしあうカップルに見える。漫画では憎みあっている勢いだったけど、あれってこの状態を7~8年位ずっと続いた結果かな?もしかして…きっかけがあれば仲直り出来る系かも。前世?私の姉夫婦はしょっちゅう喧嘩して、仲裁してたのは私と姪なのよね…私が取りなして、姪が泣き落とし……泣き落とし…ふむ…
ぽた…ぽた……
悲しい事と考えて、あの自分が死んだ時を考えたら涙が滝のように出てきた。
「「雪華?!」」
慌てて此方を見るお父様とお母様。
内心ニヤリと思いつつ、弱々しく私は上目遣いで両親に訊ねた。
「お父様…お母様…いつ、2人とも帰って下さるの…?私…淋しい…」
腐っても美少女な雪華ちゃん。泣き落としは効くと思ったけど、物凄く効いたように両親は慌てた。
「私…いらない子になったの?美奈子ちゃんと一緒に捨てるの…?」
美奈子ちゃんの名前を出すと2人は複雑な表情になった。まず、回復したのはお母様だった。
「貴方は私の娘です。あの子は兎も角…貴方は捨てるなんてないわ」
…言い切りましたねお母様…だが、その方向性はアウト。
「いやぁ!美奈子ちゃんは私の妹ですもの!美奈子ちゃんと私を離して、お母様…私を1人になさるの!?」
子供っぽく私はやや甲高い声でお母様を否定すると両親揃ってびっくりして固まった。
「雪華…お前、美奈子を妹として見てるのかい?」
お父様が恐る恐る聞いてくるのを私は必死に頷いた。
「お父様もお母様もずっと私の側にいてくださらなかった。美奈子ちゃんはずっと私の側にいてくれたわ…!私…何もわからないのにお父様もお母様も私の側に居てくださらない…私…いらない子なんだわ…!!」
感情的に、気分を高ぶらせて私は大泣きする。
バンッ!と扉の音が聞こえると「お姉様!」といつもの愛らしい声が必死な悲鳴みたいな声色で聞こえ、小さな身体が私を守るように抱きしめられた。
「お姉様を虐めないでっ!!」
聞いたこと無い美奈子ちゃんのキツい声が部屋に響く。
沈黙。
えっと…
美奈子ちゃんに抱きしめられて私はちょっと固まった…んーと…。
美奈子ちゃんに睨みつけられてる両親も固まってる。
「美奈子ちゃん…」
私はギューッと美奈子ちゃんを抱きしめ返して、そっと美奈子ちゃんの立ち位置をすり替えた。
「お父様…お母様…私を捨てるなら美奈子ちゃんと一緒にして下さい。私は美奈子ちゃんが居ればいいです。」
捨てない事分かってる前提で私は潤んだ瞳で両親を見た。
「捨てないよ!2人共、大事な娘だよ!!」
お父様が慌てて、叫ぶ。
「本当に…?」
お母様を伺い