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遠く近くの彼方此方  作者: 冬月 裕也
9/9

呪詛 4

クセジュ

「昔、ここは一つの部族によって治められていた。名前など疾うの昔に忘れ去られている。まだ大和が倭の国を統一する前の話だ。彼らは大和より東の夷という名前で呼ばれていた。厳密に言うと東日本にいた大和に敵対する部族がそう呼ばれていただけで、彼女らの部族もその一つであったに過ぎない。ここの部族の人々は争いなど望まなかった。しかし、彼らは大和の神々を受け入れることも出来なかった。結果、大和によって滅ぼされた。そのとき彼らは大和を呪い、その呪いを彼らが崇めていた守り神に托し死んでいった。その後、大和によりその守り神は丁重に祭られた、彼らの呪いが彼ら大和に降りかからないようにな。それで出来たのがこの神社だ。」

 男はまだ熱そうな湯飲みを慎重にもちそれを口元へもって言った後に続けた。

「この呪いが君の契約に大きく関わっている。彼らの呪いとは単なる儀式などでは無く、魔術的な能力も持っていた。」

「魔術?」

「ああ、魔女が箒をまたがり空を飛び、老人が何百年もの間生きながらえるあの魔術だ。」

彼の話を飲み込むことに徹していたがいよいよそれも難しくなってきた。

「そんなものがこの世に存在するんですか?」今度は取り乱さずに言えた。

「では君はどうやって生き返ったのかね少年。」

答えることはできなかった。

「現代までに人々は自然の多くの謎を解いてきた。元素のしくみや宇宙の成り立ち、病気の正体などを自然科学と捉えてきた。しかし、いまだにすべての謎は解けては居まい。いまだ人々は森羅万象を生み出した神の正体や死後の世界を科学的に説明することは出来ない。そう考えれば魔術と言うものが存在してもおかしくないだろう。」

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