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遠く近くの彼方此方  作者: 冬月 裕也
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第一章 呪詛

…しっかりしてください…

・・・完全に我々の負けだ。しかし・・・

…何を言っているのですか。あなたはまだこのくにを…

・・・もはや無理だ、しかし、万年先も忘れん。



夏の雨は好きじゃない。暖かさと冷たさが入り混じりあったその空気はジメジメして気持ち悪い。

「それにしてもどうしようか。」独り言が口から零れ出る。

傘を持たずに予報を信じて学校へ行った俺の間違いだったな。

「・・・近くのバス停まで走るか。」

バス停についた時ちょうどバスが来た。雨に打たれながらばすを待つ必要は無くなったが、バスには人に押され、立ちながらバスに乗ることになった。

数十分バスに揺られバスセンターへ。そこから今度は自宅周辺へ行くバスに乗る。バスセンターの上には駐輪場があるため、次のバスを待ってる間雨風にさらされる事は無かった。

バスが来た。さっきのバスとはテールランプの配置が微妙に違う。内装や椅子の配置は変わらないが、クッションカバーがメッシュ素材で色が明るい青をしている。

そんな椅子に腰かける。二人用の席だ。

窓側の席に座り、窓の外を流れる雨粒を見てた。誰かが横に腰かける。誰だか見てみると同中出身の純だった。

「純か、久しぶりぶりだな。どんな様子だそっちの学校のようすは。」

「普通だぞ。特に何もない。たのしいけどね。」

「勉強とか大変だろ。偏差値高いから」

「まあね。ワークにプリント、レポート、課題図書エトセトラと夏休みの宿題に出ているけどね。」

雨脚が激しくなってきた。雷も聞こえてくる。早く帰りたい。

「そう言えば純は部活何やってたっけ?」

「バスケ、でも今日は休み。うちの生徒が事件に巻き込まれただか何だかで当分の間は部活禁止。そっちは?」

「俺は部活やってない。帰宅部。ところで純、話題は変わるが傘もってないか?」

「折り畳みなら一本貸し出せるぞ。」

「ありがとう、出来る限り早く返す。」

「いいよ。時間が空いてる時で。」

アナウンスが入る

(次は塚本、塚本でございます。お降りの際は・・・)


バスから出るとさっきよりも冷たい空気が俺を包む。

「明後日にでもかえすか」

家までまだ1~2キロメートルある。山の中にある集落みたいなところに家があるのだから仕様がない。

そこへ続く一本道を行く。

・・・ピカッ、ドオーーーン・・・

大分近い、危ないな…

と思った瞬間、道の横の上にある神社に雷が落っこちた。

けたたましい音と光が鳴る。

木で遮られて、見えにくかったが間から黒焦げになった屋根が辛うじて見えた。

屋根から何かが飛び出す。

何だろうと目を凝らしてみた。

ドドドドドドド・・・

大きな地鳴りだ。

音のする方を見る。

土砂が押し寄せてくる

もう目前まで迫って避けようがない

そんな、このまま死ぬのか?

目の前がブラックアウトした

ドドドドドド・・・

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