童貞道程
初手グロ表現ありにつき閲覧注意
金髪が脳漿と一緒にミキサーしたけど異物が絡まり上手く作れなかった青汁のようになって、血の臭いと一緒にそこらに広がり糞みたくべっちょりペースト。もげた四肢は四方八方に四散して、先っちょの五指はロケット花火みたいに空中分解鮮血ジェット。残った胴体に詰まった臓物はその全てが腹から飛び出して虚空に舞い散り綺麗な放物線を描き、血飛沫がそれらを赤くデコレーションしてフォンデュしているそんな感じ。
見事なまでの死にっぷりである。もうここまでされて死んでいないというのがおかしいと思えるくらいの死にっぷりを晒したその死体を生産した男ハヤトは、呼気を荒げて、追い詰められた獣のように恐怖を宿した目を見開いて、両手でしっかりと持った血の滴る最強の大剣であるハヤブサグレートをぶるぶると震わせた。
自分が生みだしたその死体に、今更ながら後悔しているということではない。この世界に来てから、ハヤトは暴力というものの持つ味にすっかり酔いしれて、自分よりも弱い者を徹底的にいたぶって何人も殺してきたのだ。今更この程度の光景に怯えるほど、まともな精神構造はしていない。
では、何に怯えているのか。ランクA-、世界でも一握りの存在しかいない人外のランクに至ったハヤトすら震えて怯えるその死体の正体。
「はーいこれで百二回目―。うーん、しかし君、やり方がつまらないね。眼球引きずり出して小便引っ掛けたのはナイスだったけど、あれだって片方の目は残しておいて、小便にまみれる眼球を見せつけてやらないといけないだろ? もっとこうさぁ、センスに溢れたやり方してくれよなぁ。折角、チャンスあげてるんだから、ホラ! 次はモツ使った内臓プレイでエログロする? それとも普通にファックしちゃう? いいぜぇ、男にやられるってのは癪だけど、これもゲームだから今日の俺は何でもござれ! どんなプレイでもしていいんだなこれが! うひひひひひひひひひ!」
先程まで死んでいたはずの死体。それが瞬きしたと同時に殺す前の状態に戻っている異常。流石に服までは戻らないのか、その体を惜しげなく晒すその男は、その優しそうな風貌には似合わない下劣な笑い声をあげた。
そいつが現れたのは、今から三十分程前の話だ。
魔王が眠る土地を目指して進軍をしていた彼らハヤトの軍の前に、ふらりと現れたその男は、何を血迷ったのか「残念ながら君達はこれから死にまーす」等と言って来たのだ。
ハヤト・タチバナ率いる人類軍の戦力は、魔族が蔓延るグランギニョルの土地を乗り越えるために精鋭ばかりが集められている。最低でもH+ランクを持っている兵士が総勢で一万以上。その内Bランク以上が百もいて、彼らを率いるハヤトに至ってはA-ランクという最強クラスのレベルだ。
魔王ですら瞬殺しきるであろうその戦力を前に、全員死ぬと言いきったその男はやはり血迷っているのだろう。現にその男からはまるで強者特有のオーラのようなものは見られなかった。
だがそのいかれた言葉を放ったからには、当然報いは受けねばならない。ハヤトは配下の者を数人その男に向かわした。殺したらそいつの首でも持ってこいと言伝をしてだ。
そしてそれから直ぐ、あっという間にその男は斬殺されて、首だけの姿をハヤトに晒すことになる。
分かりきっていた。分かったままの展開。ハヤトは面白半分にそいつの眼球をくりぬくと、部下に命じて汚水を引っかけて高笑いして暇つぶしをするのだが。
おかしくなったのは、その直後からだ。
突如、全裸の男が現れ、汚水を引っかけていた数人に軽く触れたと思ったら、その数人が内部から風船のように膨らんで爆発した。
人間血袋の出荷模様。そんな狂気な光景を生みだした死人のはずの男は、眉も動かさず軽く頷くと、声も出せないハヤト達に向きあって、「じゃあゲームをしようか」と何事もなかったかのように平然と告げたのであった。
そして、そのゲームの内容とは、一時間以内に男を殺せれば終了という、あまりにもシンプルで絶望的なルールであった。
「大丈夫! まだ三十分も残ってるんだよ! A-ランクだろ? なら行けるって! 頑張れよ! な!?」
鼻から上が消し飛んだ状態で、男は明るくハヤトを激励する。状況が狂っていた。頭は既に狂気に染まっていた。「うへへ、うへへへへ」とハヤトは焦点の定まらない目つきで乾いた笑みを浮かべている。
あんなにもいた部下たちは、一人残らず消滅していた。残ったのはむせかえる血の臭いと、見渡すかぎりに散らばった血液のプール。
それは、ゲーム開始と同時に吹き飛んだ一万に及ぶ人間達のなれの果て。
気が狂わないはずがない。幾らハヤトでも、Bランクを含む自分の軍を一人で相手すれば、相討ちに持ちこめるかどうかといったところだ。それをこの男は何もせずにただ手を鳴らしただけでやり遂げて見せた。正確にはハヤトにすら見えない速度で一万の兵士全員に触れて破裂させたのだが、結果、全員爆散したのなら代わりあるまい。
気がふれて、やけっぱちになる。だからこそ、ハヤトは死に物狂いで剣を振った。本気で振るえば山だって両断する一撃を何度も何度も眼前の狂気に叩きつけた。
だというのに。
「何で死なないんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
泣きながら剣をふるっても、男の体は吹き飛んで吹き飛んで、瞬きしたら再び元に戻っている。
理解できない。Aランクの全力を一身に受け続けて、どうして平然としていられる。どうして死んでいるのに死なない。
男は笑顔を浮かべて、体を斬り裂かれ続ける。普通であれば誰もが見惚れるような暖かい笑顔だが、体から何度も臓物を吐きだして、眼球と脳漿を散らし続け、手足をブーメランか何かのように放物線を描いて飛ばし続けているこの状況。むしろ暖かい笑顔だからこそ、恐ろしい。
「んー、しかし君さぁ。びっくりしたけど女の子一人も連れてないんだね。それだけはつまらないなぁ。いたら俺のかっこいいところ見せてやベッ……」
男の顎が言葉を言いきる前に消し飛ぶ。だらだらと溢れ出る鮮血を掬いとり、男は顔を青ざめさせるハヤトに、目だけで微笑んで見せた。
そしてすくい取った血を握りしめて、手を開く。
跡形もなくなくなる血の跡と、いつの間にか再生している口。ハヤトの顔が引きつる。
「終わり?」
男はやはり笑ったままだ。優しく、慈しむように、さながら天使の如く狂気的な笑顔。
ある意味で地獄に仏だった。意味は根本から間違えているにも関わらず、その言葉が男には当てはまった。
もしくは、地獄の仏こそこの世で最もおぞましきものなのかもしれないが。
そして時間は刻一刻と過ぎて行く。ハヤトの剣は、男を殺すことすらできはしない。それどころか、男を殺して尚有り余る力で大地を砕くはずのその剣は、何故か僅かに土を抉る程度しか出来ていなかった。
もしもハヤトが冷静なままだったら、その異常事態にも気付いただろう。余波すら発生しない状況。当然、気付いたからどうだという話ではあるが。
内臓はもう何度も引きずり出して細切れにした。心臓は擂り潰し、脳漿はくりぬいた後に蒸発するまで徹底的に焼いた。その他あらゆる部位をハヤトは考えられるありとあらゆる方法で滅茶苦茶にした。
でも死なない。死んだのに死なない。どんなに体の中身を露出させて絶命しようと、目を放そうが離すまいが構わずに再生している。
とうとう、ハヤトは大剣を地面に突き刺して、自身も地面に膝をついた。項垂れ、肩で息をするハヤトを男は全裸のままただ「ふーん」と興味を失った眼差しで見降ろした。
「まっ、善戦したほうだと思うよ? 幕下の中のカス以下のクズでも最低レベル。とどのつまりA-ランクの最下位、B+よりちょいマシ程度とは言ってもAランク。俺の力を超えて地面削っただけでも快挙だよホント。っても、君の力って召喚作用がほとんどだから」
そう言って嘲るように鼻を鳴らすと。
「君自体の才能って皆無なんだよね。分不相応な力を得た羊ちゃん」
「う、ひゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
その視線に耐えきれずにハヤトは背を向けると逃げ出した。音速など数歩で超えるその加速で、血の池を踏み散らして涙を流して走り続ける。
だがしかし、あぁしかし、所詮は世界の法則に捕らわれた程度でしかないその力では、男の力から逃れられない。
「ひぃぃぃぃぃ! ひょあああああああ!」
無様に液体という液体を体の至るところから流しながら走るハヤト。ばしゃばしゃと血の池を散らし、ばしゃばしゃと泳ぐように血の池を行き。
いつまでたっても、向こう岸には辿りつかない。現実がある。
「君は逃げられない」
その声に振り向く。逃げ出したときとまったく変わらない男との距離に、ハヤトの顔が歪に歪んだ。
「なんでぇぇぇぇぇ!? なんでいるんだよぉぉぉぉぉ!」
「俺が、君を、逃がさない。そう思ったからだ」
男はハヤトを指差した。白く細いその指先を突きつけられて、それに触られた部下の末路を思い出してハヤトが凍る。
やはり笑顔は優しく、慈愛はそのままに、殺意だけがただ指先に集まっていく。
「どうして……」
「ん?」
「どうしてひと思いに殺さないんだよ!」
その異常に耐えきれずに、遂にハヤトは自棄になった。もう自身の生存なんて不可能と知り、諦めたが故の叫び。
それを聞いて失敗でもしたかのように男は溜息を吐きだした。ハヤトは憤る。その態度は間違いなく、この男の目的が自分を追い詰めることにあったのだということを物語っていたからだ。
「どうして──」
「だってさ君、女の子襲ったろ?」
再び問いただそうとして、それに被せるように男はそんな正義の味方のような理由を口にした。
思考が停止する。今、この男は何て言った。女の子を襲った? それが理由だと?
「いけないよねー。幾ら種族が違うからって手当たり次第に女の子に手を出すとかさぁ。あ、だからって勿論同族に手を出していいわけじゃないんだよ? やっぱし男の子たるもの紳士でなきゃいけない。心も体も常に純情。女の子はね、見て愛でて匂いをかいで愛でて妄想の中でハァハァして愛でてやるだけで充分なの。イエスガールズノータッチ、オッケー?」
ハヤトの困惑をよそに、男は言葉を重ねて行く。その何ともしょうもない言葉が、それまでの狂気じみた雰囲気を放っていた男の存在感を一気にシュールなそれにへと叩き落としていくが、本人はいたって真面目なドヤ顔のまま続けるが、その顔は次第に苦汁の表情へと変わっていき、ハヤトの攻撃を幾ら食らっても笑顔のままだったその顔には、いつしか冷や汗が滲みだしていた。
「つまり現実の女の子なんて駄目なんだよ! 別に俺がこれまで女の子と何もしてこなかったから妬んでるわけじゃないぞ! ほら! 俺レベルの美形だと引く手あまた過ぎてもう何と言うか女の子と付き合うのとか興味ないというかそもそも俺結婚とか考えてないしそれに女の子と付き合ったりなんてしたら金とか無駄にかかって面倒だからいらないだけだし! 彼女欲しくないし……! 彼女欲しくないし!」
途端に小物になり下がった男が、自身の言葉にダメージを受けて力なく項垂れる。肩は震え、いつの間にか俯いたその顔の下には水滴の跡が残っていた。
号泣だ。まさかの男泣きである。セリフの隅から香る童貞臭とでもいうその何かが男の全てを台無しにしていた。
泣きたいのは俺のほうだ。ハヤトも無性に泣きたくなってきたが、ともあれこれはチャンスに違いない。
「な、なぁ」
「キスくらいしたし……幼稚園のときにトモ君と……あ、あれあいつ男だったっけ……駄目だ、ノーカン、あれノーカン」
「なぁオイ!」
「んー?」
男が顔を上げる。生気も覇気も感じられぬ敗者の表情がそこにはあった。言葉に出来ない負け犬臭である。こんな男に俺はビビっていたのかと情けなくなるが、実際にこの男が化け物なことには変わりない。
だからここからが大切だ。戦闘能力ではすでに叶わない。だったらどうにかしてこいつを言いくるめて──
直後、軽い衝撃がハヤトの腹に響いた。
「え?」
なんだ? と言おうとして自分の腹を見る。すると、そこらの鎧なんか比べ物にならぬ強固な己の体から、刃の切っ先が幾つも『生えてきていた』。
「な……こ、れ……俺、腹……」
内臓もぐちゃぐちゃにしたのだろう。口からは熱血が溢れだし、腹からもゆっくりと切っ先と腹の隙間から血が溢れてくる。
「戦意喪失して魔法の構成緩くしたからよ」
可愛らしい少女の声がハヤトの背後から聞こえてきた。誰なのか確かめようと、ハヤトは腹から生える切っ先をそのままに振り返り、そして、そこで彼の命は永遠に失われた。
「はい、終了。しかしこいつホントにAランクだったの? にしては打たれ弱すぎでしょ」
額から鈍い光と血の赤を滴らせる刃を生やして、両目を見開いて倒れたハヤトに、少女は呆れ果てた溜息を漏らした。
「ミレイ!」
「はいはい、私ぁここにいるよ」
男にミレイと呼ばれた少女は、目を輝かせる男に片手をやる気なく振って見せた。
ミレイ・アルグリッサ。若干16歳ながらC-ランクの凄腕の実力者だ。最も、その実力だけを見るならば、彼女がハヤトを殺すなどほぼ不可能なのだが、そこには一応秘密がある。
男がミレイに感極まった様子で飛びつく。唇を突き出してそのままキスでもしかねない男の突進に、露骨に嫌そうな表情を浮かべたミレイは、抱きつかれる刹那、己を男の背後に『転移させた』。
「あら? ったくミレイちゃんたら恥ずかしがりガペ……」
何かをのたまおうとした男の口からナイフの切っ先が飛び出る。種なんて至極簡単だ。いつの間にかハヤトの亡骸からなくなった刃は全てミレイの手にあり、その一本は男の口から飛び出している。
自由自在な空間転移能力。魔力を用いないその力こそ、彼女がハヤトを殺せた要因だったのだ。
だが普通なら死んで当然な男は、まるで出来の悪いギャグ漫画のように切っ先を掴むと、喉と口の肉ごとナイフを引き抜いて地面に投げ捨てた。当然、抜いた直後には傷は何処にも残っていない。
「ていうかさ。抱きつくにしろ服くらい来なさいよ。その皮の被った粗末な一物をいつまで見せつけるつもり?」
「……いやん。エッチ」
「あ?」
ミレイは全裸でふざけた態度をとる男に手にありったけのナイフを持ってすごんで見せた。
たちまち上がる両手。降参ギブアップ僕の負け。たった一時間で世界最強の軍隊を壊滅状態に追い込んだ男が、特殊能力を持つとはいえC-ランクに敗北したのだから、瞬殺された彼らは報われない。
何処までもふざけた態度に付き合うのもばかばかしく感じたのか、ミレイはナイフを転移させて何処かに仕舞うと、男に背中を向けた。
「とりあえず、これでヴォルグアイの旦那に頼まれた依頼は完了ってことで」
「……ったく、ここに着いた次の日から騒動に巻き込まれるだなんてとんだ災難だわ」
そうぼやきながら、虚空から飴玉を二つ取り出し、一つを自分の口に、もう一つを真横に放り投げるミレイ。
そのままでは落ちてしまう飴玉を口に入れるのは、いつの間にか全身を西洋風の鎧で覆った男だ。ヘルムはつけていないので、顔だけは露出している。口に含んだ飴玉を子どものように無邪気な笑みを浮かべて転がすその表情は、何処かの偉い近衛騎士の一人と言われても通じるだろう。
だが残念なことに中身が残念なこの男に見惚れるなど、ミレイにはあり得ないのだが。虚ろな眼差しをより暗くして、ミレイはさっさと血の池の中を歩きだす。
「ま、待ってよミレイちゃーん!」
「死ね」
「え、ちょ、何か色々と色々なこと飛ばしてるよねそれ。嘘、ミレイちゃん! 俺達あれだよね! トモ君と三人でずっと幼馴染で仲良くしようって約束したよね!」
「トモなら死んだよ」
「ミレイちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!???」
ムンクの如く絶叫するその姿からはやはり強者の雰囲気など感じない。むしろ先程呆気なく死んだハヤトや、ミレイの方が強者独特の雰囲気を持っているだろう。
だが違う。その男こそ、ここにいる者はおろか、全ての世界を含めた者の中でも頂点に位置する、星の意志すら打倒する化け物。
敵性存在が第十二位『覇王童貞』オリビエ・ゼッケンベルク。
能力。妄想を具現する。もう一人の真正悪魔。
以下、恒例の簡単な人物紹介
オリビエ・ゼッケンベルク
プロットのみの作品。無敵童貞クラウンノイズという作品の主人公。内容は、病人機関異世界支部に勤める彼が、幼馴染でパートナーであるミレイと共に、珍事件から難事件をその圧倒的童貞力で解決していく。なんていう作品。
設定的には第二位が封印処理された後に敵性存在になった童貞。第二位と同じく、思ったことを現実にする能力を持っている。
とはいえ、彼の場合はその思ったことの前提に「童貞だから〇〇」とか「童貞には〇〇が出来る」とか「童貞力……全☆開」と、童貞というのが能力の根源にあるので、もし童貞じゃなくなったら無敵の能力が失われる恐れがあるというなんともかわいそうな立場。
童貞のまま死ねるかという思いが常時発動してるので、基本的に不死身。もう無敵じゃんとか思うだろうが、何故か女性と子どもに対しては死なないだけの人間程度の能力しか発揮できないという弱点があり、十二位というランクに収まっている。
さらに言うと、顔は悪くないがミレイ以外の女性には蛇蝎のごとく嫌われる体質。その嫌われ具合といえば、露出狂のボインボイン姉貴ですら、オリビエが百キロ以内に近づいたのを察知したら服をしっかり着込んで肌を見せないレベル。
ミレイ・アルグリッサ
C-ランクの少女。オリビエとは子どものころからの付き合いで、表面上は彼を嫌っているように見えるが、ほのかな恋心を寄せていたらいいなぁというのがオリビエの願望。
クールで口が悪い。目が基本的に死んだ魚みたいで、せっかくの可愛らしい容姿が台無しの残念美少女。飴玉を沢山持っている。
妄想具現、空間掌握を持つ。欠落はオリビエへの嫌悪感のほとんど。それでも彼を表面上は嫌っているのだから、彼の嫌われ体質は余程である。というか、個人への嫌悪感を欠落する代わりの能力としては破格。
妄想具現はランクには含まれない異端の力なので、妄想具現を含めたランクは大体B+の下位程度。不意を突けばAランクだって倒すことは可能。
妄想具現については、拙作の一つ、妄想する街に詳細が乗っているので、そちらをどうぞ。
ハヤト・タチバナ
A-になりたてのお調子者。召喚陣によって能力を追加されてAランクに届いたのであって、素の能力だけならばどんなに鍛えてもHランクに届く程度でしかない。流石召喚陣である。
一応A-の中でも真ん中くらいの戦闘能力はあるが、Aランクに届いた者全員が持つ一本の芯がないために、実際にAランクで総当たり戦をやったら全員に負ける。Aランク最弱の男。
使用武器のハヤブサグレートは、そこまでいい剣ではない。