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第八幕 寝不足と蘭の秘密!?

日が経ちました。昨日はあまり眠れませんでした。今日こそあの噂の転校生に逢うと思うと…かなり心配な訳で…少し眠いですが、武蔵ムサシがお送り…zzz


「む〜さぁ〜し♪ 学校行こう〜!」

「ん〜もうそんな時間か…むにゃむにゃ…」

いきなり部屋に入って来るや否や、柄のある暗幕を開き、寝不足のオレにめいいっぱいの太陽光を浴びせる蘭を、オレは出来るかぎり不機嫌そうな顔で睨み付けた。どうしてこの子はこういう日に限って目覚めがいいんだ?そして、どうしてオレはこういう日の前夜に限って眠りにつけないのだろうか。

「ほ〜ら、遅刻するよ〜!! えいやッ! 」

と、恋愛ラブコメゲーム張りにオレの体温で暖まった布団をひっぺ返すと、まだ完全には目を醒ましていないオレを片手で引き摺りながら居間へと連れていった。と言うよりは連行したの方が分かりやすいかもしれない。

「お早ようございます、零おねーさま。今日も朝早いですね」

「寝過ぎはお肌に悪いのよ♪ それより、あなたこそどうしたの? 今日はこんなに早起きして」

時計の針はまだ六時十分。毎朝遅刻ギリギリ七時半近くに起きる蘭にしてはこの時間に起床したのは快挙だ、奇跡だ。

そんなミラクォルを起こした蘭は乱暴にオレを指定席目がけ放り投げると、自分はナオキに朝のおかずのおねだりでもしに行くのか、厨房へと向かっていった。案の定、慣性の法則には逆らえなかったオレは全身打撲の体を痛々しく起こしながら零ねーちゃんの方を向いた。さすがは我が姉。実の弟が放り投げられても微動だにしないわ。

「お、おはようねーちゃん…」

「おはよう、ムサシ。今日は昨日の転校生に逢えるといいわね〜! 結構美人になってたわよ、名前は忘れたけど」

「オレもさっきから頭の片隅に引っかかてるんだよね…なんか無理矢理思い出そうとすると悪寒が走るし」

「確かあなた、蘭と同じクラスよね?それなら蘭ひその子の名前知ってるんじゃない? 昔の事は憶えてなくても自己紹介くらいは憶えてるでしょ? 」

そりゃそうだ。しかし何故、突如の転校生であり、昔の幼なじみ登場にあの蘭がオレに何も言ってこないのだろう? ん〜、おかし過ぎるぞ。

「ムサシに言ってないとなれば…あの子、何かムサシに隠してるわね」

「蘭がオレに隠し事ねぇ…何やらやっぱり危ない感じがするんですけど」

「何言ってるのよ、男でしょ? 頑張りなさいよ!」

零ねーちゃんは立ち上がりついでにオレの背中をバチンッ! と叩くと鼻歌混じりに自分の部屋へと帰っていった。

頑張りなさいねぇ…まぁ、頑張るしかないんだけどなぁ…

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