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第十九幕 私のこの手が光って唸っちゃう

あ〜、渚ちゃんの特殊能力やら『スタント』なんだかわからない力によって、あすかの周りに不穏な影がある事を知ったオレ達は、これからの事を模索する訳で…

一般庶民、武蔵ムサシがお送りします。


「で、どうすんだよ、これから。もしも、渚ちゃんの感知してる黒服にーちゃんがあすかを狙っていたとしても、それを阻止する権限はオレ達には無いぞ」

「確かに、ムサシ君の言った通りですわ。あちらが何か仕掛けない限り、私達は何も出来ません。ただ…」

ただ…? と蘭が聞き返す。う〜む、この時の渚ちゃんの曇った表情もまたいいね〜! 何か、男心をくすぐるというか、なんというか…ただ、やっぱり渚ちゃんのような美少女には笑顔が一番にあってるけどな、うん。

「ただ…あすかちゃんの周りに徐々にあの集団が集まってきてるんですよ。しかもここは人通りの少ない裏路地。何か起こすにはもってこいの場所ですわ」

「確かにそうね…まったく、あすかのおかげで大変なことになってきたわね」

まったく、とオレは頷く。始まりといえばあすか捜索だったというのに、気付けばこんな物陰に隠れてドラマチックな展開になっているなど、まったく思いつかなかった。

「これであの連中がただの慰安旅行で集まってる…みたいだったら助かるんだけどね」

「慰安旅行だったらな…取り越し苦労に終わるならどれだけいいか…」

「残念だけど、慰安旅行ではないらしいわ。ムサシ君、蘭、あれを見て…あすかちゃんの後ろを歩くあの数人の男、あの怪しい集団の一部よ」

渚ちゃんの視線の先にはあすかの後ろを少し距離を置いてだが、歩く黒服にーちゃん達の姿が。あすかも薄々は感付いているらしく、後ろを振り向き仕草をしきりにしている。まぁ…振り向いたら、ましてや、奴らと目でも合ったりしたら…何かが起こることくらいオレでも分かる。

「で、どうする? わざとらしく登場して引き離すか? 」

「それも一種の手だとは思います。けど、問題はそれで相手がどう行動に出るかです。数ではあちらが勝っているし、暴力沙汰は…」

「後々ヤバいよな、暴力は…恨み買いたくないし」

「じゃあ…どうします? 何か有効に、かつ円滑にあの黒服達をあすかちゃんから引き離す方法を考えなければいけませんわ」

だな、とオレと蘭は頷いた。こんなところで問題は起こしたくない。起こせば後々何かと厄介になるのは避けたい、ああ、避けたい。

「…でも、今は自分達のことを考えなければいけないようですわ」

「ん、渚ちゃん、それはどういうこった? 」

「囲まれてますわ、私達…左右に三人、後ろに四人」

嘘ッ、と蘭は左右を振り向いた。オレも後ろを見たが人影はない。距離がまだ遠いのか、それともあっちが隠れているのか、敵が分かるのも渚ちゃん様様だ…あっ、まだ敵とは分からないか…

「どうするの? これじゃあすかまで手が回らないわよ!あすかを助けに言ったとしても、一人で、しかも左右に後ろ、七人相手にはできないわよ。二人でもいっぱいいっぱいだわ」

「戦うっては蘭と…渚ちゃん? 」

違うわよっ! とオレは蘭のゴッドフィンガーで顔面を掴まれた。

「私とッ、あ・な・た・よッ!ムサシくんよ! 」

「イデデデデッ! が、顔面が、顔面がぁぁ! 」

「分かった? 分かったら返事ッ! 」

「は、はひ…」

よろしい、とオレのビューティフル顔面から手を離した蘭は、よ〜し、とバキ、メキと指を鳴らした。ヤル気満々なのがいいが、相手かなんにあれ戦うつもりなのな、この娘は。

先程、渚ちゃんと暴力沙汰はいけないと話したばっかりなのにな。

「渚、相手の距離は? 」

「あと200メーターくらいかなぁ…あすかちゃんとも少し離れちゃったし」

「それじゃあ、まずは周りの敵を倒してあすかを追い掛けましょう」

「おぃ、蘭! うちらから仕掛けるのは無しだからな、というかこの際、暴力禁止だ、禁止! 」

「じゃあ逆に聞くけど、この状況、どうやって抜け出すのよ。私だって無駄なケンカなんてしたくないわ」

「…嘘つきが」

否応なしに蘭の左手、シャイニングフィンガーに顔面を掴まれた、身悶えるオレ。

オレは別に真実を言ったまでであって、蘭をバカにしよう、とか貶してやろうとかいう気持ちはまったく無い。

ただ、真実を言っただけ。

まったく…自分に不都合な真実を認めないなんて…。我が儘なや……つィィィ!!!


メキッ、


ミキッ、


ゴギッ。









…つ、続く…………

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