97.時刻表(4)
「標準時刻で運転してるとこって、駅ごとの時刻を決めとかないで大丈夫なの?」
「朝のラッシュ時に全部の駅で決められたとおりに発車できると思う?」
「思わない。」
「逆に乗り降りが終わってるのに決めらた時刻まで待つのってどう?」
「ちょっとだけイラッとするかも。」
「だけど、列車は決められた出発時刻より前の発車は禁止されてるんだよ。」
「だから決めないってこと?」
「ラッシュ時の通勤路線って、だいたい乗降が終わったなってタイミングでドアを閉めた方がスムーズに運転できそうじゃない。」
「それだといちいち出発時刻を気にしてられないね。」
「だから、要所だけ時刻を決めてあとは運転士さんと車掌さんの腕に任せてる。」
「たまに電車が1分とか早く発車してお詫びしたってニュースになるじゃない。」
「うん。あるね。」
「標準時刻の場合は早く出ることもあるから、そういう問題にはならないってこと?」
「途中の時刻の決まってない駅はそう。でも出発時刻を決めてある駅の早発はだめ。」
「そこはだめなんだ。」
「だって考えてみなよ。最初の駅で時刻がズレてたら、その先は更に誤差が拡大するかもじゃない。」
「途中で『早かった』って気付けないの?」
「この場合の運転士さんが見てる時刻表には出発時刻を決めてる駅しか書いてないから。」
「そうなの!?」
「いままで読み飛ばしてた『標準時刻』の言葉に、こんな意味があったとは。」
「駅で時刻表があれば見てみ。僕らの乗る区間なら『標準時刻』って文字があるはずだよ。」
「うん。でもホームの時刻表って減っちゃったね。ほとんど見てなかったけど。」
「時刻表があったよな~ってスペースが、広告になっちゃったりしてるよね。」




