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84.午年(3)

「馬のつく列車は無いんだっけ。」

「JR大糸線に臨時特急『はくば』ってのがある。」

「ああ、松本から白馬(はくば)へ行く特急だっけ。」

「そう。週末だけの運転だけどね。」


「白馬駅は『はくば』って読むのか『しろうま』って読むのか迷ったことがある。」

「山が『白馬岳(しろうまだけ)』って呼ばれてるからね。しかも『白馬岳(はくばだけ)』呼びもあるそうだから。」

「山も混乱してるんだ。駅名は『はくば』だよね。」


「あとは、馬っていったら何があるかなぁ。」

「いやまぁ、無理にひねり出さないで良いんだけど。」

「あ『高原のポニー』ってのがあった。」

「ポニーって小さめの馬のことだよね。」

「そう。小海線を走ったC56形蒸気機関車のことをそう呼んだんだって。」

「へえ。」

「確か大井川鐵道で動態復原に向けて整備中だったはずだけど、どうなってたかな。」

「大井川鐵道はまだ不通区間があって苦労してるから大変なんじゃない?」

「そうだろうね。」


「それで花巻の『馬面(うまづら)電車』が出てきてないのはわざと?」

「トリにしようと思ったんだけど、先に言われてしまった。『みちのくの馬面電車』は外せないでしょ。」

「前に写真見せてもらった時にはビックリしたもん。コテンって横に倒れちゃいそうな電車っていったらこれが筆頭だよね。」

「ここまで細くはなかったけど、福島の市内電車もかなり細面(ほそおもて)だったそうだよ。」

「この花巻の電車はロングシートなんだけど、左右の座席の間隔がボックスシートとたいして変わらなかったらしいよ。」

「うわ狭っ。車内通り抜けられたのかな。」

「座面の奥行きが浅かったんで、ある程度の通路幅はあったみたい。」

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