74.レストラン列車(1)
「女子のたくさんいるキャッキャウフフなサークルに入ってれば良かったのかな。」
「キャッキャウフフって。そこで浮かずにやって行ける自信あるの?」
「無い。あったら、こんな日にこんな所でナオなんかとくすぶってない。」
「酷い。」
「ごめん、ちょっと言い過ぎた。」
「それにしても、トモがそんなに彼女欲しがってたとは思わなかった。」
「これからバイトとかでお金貯めたら、レストラン列車とかも乗りたいじゃない。そんな時に一緒に乗ってくれる人がいたら良いなって。」
「あー、確かに。」
「なんならナオと乗るのも楽しいだろうけど、なんか悪い気がするし。」
「俺はまあ、誘ってもらっても構わないけどね。」
「それにちょっとは見栄張りたいじゃない。そしてゆくゆくはフルムーンパスで行く熟年旅。憧れない?」
「そうなる頃には、どんな列車が走ってるんだろうね。」
「彼女ってのは別としてもレストラン列車は乗りたいな。」
「お酒飲めるようになったらさ、二十歳の記念にとかどう?」
「ならどの列車が良いだろう。『Shu*Kura』はお酒初心者には厳しいだろうな。」
「日本酒だもんね。」
「『ろくもん』も良さそうなんだけど、やっぱり値段がなぁ。頑張れば乗れるかな?」
「俺、今から貯金しとこうかな。」
「宝くじには頼らないんだ。」
「やっぱり堅実にね。」
「ふたりとも彼女がいたらダブルデートで。どちらもダメだったら、ふたりでしんみりと。」
「しんみりな未来を幻視してしまった…。」
「僕は大丈夫だと思うけど、ナオがまだだったらごめんね。」
「その自信はどこから?」




