68.軌間(3)
「レールの間隔は内側が大事なんだね。」
「うん。ところがなんだけど、国によってはナオの言ったレールの中心を基準にしてる所もあったはずだよ。」
「あれれ?そうなんだ。」
「で、それとは直接関係ないけれど、ケーブルカーの場合はレール中心の間隔が重要なんだ。」
「どういうこと?」
「たいていのケーブルカーって車両が2両あって、それが中間で行き違うでしょ。」
「うん。」
「その時に例えば左側を通る車両の場合、左の車輪の両側にフランジが付いてて、右側の車輪にはフランジが無いんだよ。」
「えっと?その左の車輪って、両側が出っ張ってるんだから…、凹みの字に似た溝みたいな断面になってるのかな?」
「そう。この溝があるから、行き違う場所では左のレールに従って自然と左側へ行く。もう一両はこの逆。」
「あーそういう仕組みなんだ。」
「それでなんだけど、レールを強化をしようとして重くて太いものに替えるとするじゃない。」
「うん。」
「その時にレールの内側の間隔を変えなかったら、どうなると思う?」
「レールが太くなった分、フランジの付いた車輪の側に車両が寄っちゃう?」
「そういうこと。ほんの少しかもしれないけれど、反対側の車輪はレールの中心を外れちゃうことになる。」
「じゃあ、レールの中心の間隔を変えない方が良いんだ。」
「そういうわけでレールの中心の間隔を変えずに太いものに替えた結果、レールの内側を測る軌間の値が小さくなっちゃった例がいくつかある。」
「へえ。」
「奥多摩とか箱根にそういう路線があるよ。」
「ケーブルカーも鉄道なの?」
「レール使ってるでしょ。」
「ああ。それじゃあトモの守備範囲なんだ。」
「そう。」




