57.夜行(2)
「夜行列車って毎日走ってるのは『サンライズ』だけ?」
「うん。だけどナオの求めるものとはちょっと違うんじゃない?」
「寝台車乗ってみたいけど値段がね。ノビノビ座席はリーズナブルで良いと思うよ。」
「臨時では『WEST EXPRESS 銀河』もあるね。これもノビノビ座席があったはず。」
「京阪神地区から、これも山陰の方へ行く列車だったっけ。」
「そう。山陰方面は需要があるんだね。」
「新幹線が通ってないってのも理由の一つだったりして。」
「似たようなのでは東京から東北方面でも夜行列車の計画があるね。」
「それって全部グリーン車じゃなかった?」
「そう。」
「新しく登場しても気軽には使えないものになっちゃいそうだな。」
「採算とかバスとの差別化とか、そういうのを考えたら豪華路線になるのかもね。」
「貧乏学生の救世主は現れないんだろうか。」
「東北のも銀河も、新車じゃなく改造で済ませてるから、これでもお金かからないように工夫してるんじゃない?」
「夜走るのでは俺たちには高嶺の花のクルーズ列車もあるね。」
「とてつもなく立派な値段設定だから、逆に現実感ないよね。」
「でも一度は乗ってみたいな。」
「そうだね。だけど伯父さんでも指くわえてるだけみたい。」
「乗るお金を僕らが自力で払えるようになるのが早いか、列車が引退するのが早いか…。」
「宝くじでも買ってみようかな。」




