55.信越線(4)
「信越線は複線のままでも良いのかなあ。」
「あくまでも素人の私見になるけど、それについて今から喋りまくるから覚悟してね。」
「わかった。」
「ざっくりとだけど、複線から単線にするとなると、設計とか届出とかはもちろん、不要な設備の撤去や必要な設備の設置といった工事、運休が必要な場合の手配や周知、そういうことが沢山あるよね。」
「うん。」
「実際の工事も、ただ線路を剥がせば終わりじゃない。残った線路は両方向から列車が来れるように信号や踏切の制御を変更する。信号機も走る線路が変われば見えやすい位置に移設するものがある。運行管理システムも手を入れる必要がある。」
「そうだね。」
「あとは、行き違い駅を一つ作ると最低でも分岐器が2つ必要になる。分岐器の点検とか保守って普通の区間の線路より大変なのはわかるよね。」
「うん。」
「だから、今は減らせる分岐器は極力撤去する方向で進んでる。」
「そうなんだ。」
「この区間だと安中に貨物列車用の分岐器があったけど、多分もう使用休止になってるんじゃないかな。」
「あー気にしてなかった。」
「もしそのまま廃止されるとしたら分岐器があるのは起点の高崎と終点の横川だけになる。」
「うわ、何かすごく単純になっちゃってる?」
「鉄道の経営についても全く知らないから適当に言うけれど、この区間の場合は単線化して行き違い駅を作るよりも、複線のままの方が費用が掛からないような気がする。そうでなかったとしても、わざわざ工事してまで変更するメリットは無いっていう判断じゃないかな。」
「納得させられそうだ。」
「贅沢かもだけどさ、ぶっちゃけ上下線が分かれてる方が安全で楽なんだよね。運転整理が必要な時も行き違いを気にしなくて良いし。」
「ダイヤの自由度が高いってそういうこと?」
「この場合はそう。例えば途中の行き違い駅が一か所だけで良いとか、一か所も必要ないって程度の運転本数ならば、単線化も考慮に値するかもしれないけどね。」
「今日のトモは語るねぇ。」
「お土産の焼きまんじゅうでテンション変になってるから。」
「そんな副作用のある食べ物じゃないよね?それにまだ食べてもいないはずだし!」
「焼かずに食べるようなことはしないよ。」




