54.信越線(3)
「高崎~横川間の時刻表見てて思ったんだけど、あそこって1時間に1往復くらいしか走ってないんだね。」
「確かそうだね。」
「行きも帰りも同じ辺りで1回しかすれ違わなかったし。」
「昼間はそうだろうね。」
「ダイヤを工夫すれば単線でも十分なんじゃないの?」
「いやあ、そういうものでもないと思うよ。」
「でもなんか、あんまり使われない線路がもったいない気がして。」
「だけど朝晩はそれなりに運転本数があるじゃない。」
「そうだね。」
「最近廃止されちゃったけど、高崎~安中間では貨物列車も走ってたし。」
「あ、『安中貨物』ってやつ。やめちゃったんだ。」
「そう。あと今は運休しちゃってるけど、週末を中心に速度の遅いSL列車も走ることがあるでしょ。」
「うん。」
「だから出来ればダイヤの自由度が高い複線の方が望ましいと思うよ。」
「そうなのかなぁ。」
「じゃあ、単線にするとしたら行き違いができる駅をいくつぐらい作ればよいと思う?」
「う~ん、2つか3つかな?」
「適当に言ってるでしょ。」
「だって、わかんないもん。」
「僕もわかんない。でも途中の全駅に作れば無駄だし、1つくらいじゃ足りないのは判るよね。」
「うん。」
「で、いろいろと考えて作った行き違い駅も、それこそ日中は1か所あれば十分かもしれないよ。」
「あれ?かえってもったいないことになってる?」
「分岐器好きとしては増えた方が嬉しいんじゃないの?」
「無駄な設備をわざわざ求めたりはしないよ。必要とされて有るからこそ美しいんだし。」
「さようでございますか。」




