49.非鉄(2)
「俺たちのことが噂になってるって聞いたんだけど知ってる?」
「いや。どんな内容?」
「いつも部室に一緒に居るんで、BのLな関係じゃないかって。」
「事実無根だな。」
「だよね~。」
「断じてBattery Locomotiveなどではない。」
「バテロコって何?」
「蓄電池機関車。トンネル工事なんかで使われてる。」
「えっと、一応確認なんですけど、その妙なはぐらかし方、すごく気になるんですけど。」
「いや、ちょっとボケただけ。意味は解ってる。」
「トモ的にはどうなの?」
「個人の趣味嗜好は自由だと思うけど、僕自身は違うから。」
「そうだよね。」
「違うと、思う…。」
「え?ちょっと、なに黙って考え込んでるの。」
「いや、想像してみようと思った。」
「え゛。」
「でもやっぱないわ。ナオだとまったくその気にならん。」
「安心したけど、なんだかムカつく。」
「レールのコスプレとかしてくれたらワンチャンぐらいあるかもしれない。」
「それどんなのよ。そんなチャンス要らないから。それにレールならアリなの!?」
「そういうナオはどうなんだ?こんな話題持ってきたのは、実はフリだったりとか。」
「え~!?ないない。トモのこと、友達としては好きだけど、LOVEな意味ではタイプじゃないから。」
「安心はしたけどなんかムカつく。殴りたくなってくる。」
「拳骨くれながら言うなよ。(涙目)」
「互いに否定はしながらも、傍からはじゃれついている様にしか見えない二人。だが彼らの関係が真の意味で始まるには、まだもう少しの時間が必要だった。」
「変なナレーション入れないっ!」




