44.旅行記(1-10)
「今回の小旅行、どうだった?」
「面白かったよ。ちょっとしたミステリーツアーな感じだった。」
「良かった。考えた甲斐があるよ。」
「コース取りも良かったと思う。」
「電車に乗る場所とか、トモのアドバイスにも助けられたけどね。」
「だけど先頭車の眺めが意外と良くなかったのは残念だった。」
「一番後ろもあったしね。」
「まあ悪くはなかったでしょ?」
「本当は『エアポート快特』で羽田空港から成田空港まで行く案も考えたんだけどボツにした。」
「地下鉄線内の通過運転とか、成田空港線内の高速運転とか、結構面白かったんじゃない?」
「でもロングシートで1時間半だし運賃もお高め。それに成田空港まで行ってから先のプランが思い浮かばなかった。」
「成田空港から旧成田空港駅の東成田まで歩いてみるとか、更にそこから出てる『隣の滑走路より短い芝山鉄道』とかもあったのに。」
「それ面白い。でもほら、今回のテーマを絶景にしたからさ。」
「ああ、確かにテーマからは外れるか。」
「それでトモは品川で別れてからどうしたの?」
「常磐線に乗り換えて北千住まで行った。」
「あー、品川だと始発だから座れるよね。」
「うん。で、北千住で地下に降りて各駅停車で金町まで行った。」
「あ、各駅停車は地下鉄の千代田線だっけ。」
「そう。」
「朝の浮間舟渡に続いて都区内パスの区間の端っこまで行ったんだ。金町からは京成?」
「そのつもりだったんだけどさ、着いたらもう暗くなっちゃってて。駅の周りを少しだけ見てからJRで帰ってきちゃった。」
「日が暮れるの早くなったからね。」
「金町線の初乗りはまたの機会にだな。」
「あ、じゃ僕も乗ったことないから、今度そっち方面で企画してみようか。」
「そうだね。楽しみにしてる。」
「乗り倒すって言ってたから、フリー区間内で何駅降りられるかとかしてたのかと思った。」
「凄いな、そこまでは考えてなかった。」




