39.旅行記(1-5)
【ナオ】
ゆりかもめも初めて乗る。
1本見送って一番後ろの2人席へ並んで座った。
後ろの景色が良く見える特等席。
普段は無人運転の『ゆりかもめ』を運転士さんが運転する時に使う席。
機器にはカバーが被せてある。
この先で途切れてるレールは、先の方が左に曲がってる。
勝どき方面に延伸するかもの準備なんだって。
「無人運転なんだから先頭のが良いんじゃない?」ってトモに言ったら、行くのが面倒だし南を向くからまぶしいとの答え。
沿線は豊洲市場、有明地区、そしてお台場と見どころが多い。
いろいろと変な格好の建物が目につく。
青海まで来ると船が見え始める。
東京国際クルーズターミナルにはクルーズ船が停泊してる。
南極観測船の『宗谷』も見える。
ここもまた来てみたい。
対岸にはコンテナふ頭のクレーン群が並んでキリンの群れみたい。
そして次の絶景がレインボーブリッジ。
随分高いところまでガンガン上ってゆく。
隣の道路を車が走り金網も邪魔だけど、高さがあるので見通しはとても良い。
歩道もあって、歩いて渡る人、だけじゃなくてジョギングしてる人も居る。
橋の中央を過ぎて今度はジャンジャンと降りてゆく。
ループの部分に入ると途中からは道路の方が低い位置に下がり視界が開ける。
この先は首都高が上を通るので圧迫感があるかな?と思ってたら意外と良く景色が見える。
この辺りは貨物線があったので、その跡地を利用して走る場所が多いとトモが教えてくれた。
途中の竹芝で下車して、客船ターミナルの食堂で少しだけ早めの昼食にする。
俺は『アジから』、トモは『アジあお』ってのを注文。
トモが頼んだのは『青唐辛子醤油』を使った鶏から揚げと特大アジフライのセット。
俺は辛いのは苦手なので普通の鶏から揚げとのセットにした。
辛いのをトモに少し齧らせてもらったら、後からじんわりとした辛味を感じる。
ご飯と味噌汁はセルフだったので少し食べ過ぎた。
【トモ】
豊洲でゆりかもめに乗り換え。
先頭まで行くのは面倒だったので、一番後ろの2人席に座る。
52番と書かれた編成で、7500系最後尾1号車の7521に乗車。
10時58分に発車。
以前に乗ったのは確か中1の夏休みで、あちこち工事の真っ最中だった。
絶景ポイントのレインボーブリッジは道路と金網で景色が見づらいのが難点。
歩道でも渡れるから、ナオを誘ってリベンジしてみようかな。
ゆりかもめは終点の新橋までは行かず竹芝での下車だった。
到着は11時27分。
ナオに連れられて入った客船ターミナルの食堂で昼食。
そういえばナオは船も好きだと言ってたっけ。
鉄道好きには、バスや飛行機など、他の乗り物も好きな人が結構いるみたい。
昼食はアジフライと鶏から揚げの定食を食べた。
から揚げを僕は青唐辛子を使った辛めのもの、ナオは辛くないものを選んだ。
「ゆりかもめを全線制覇!ってわけじゃなかったんだね。」
「俺は乗りつぶしメインじゃないから。それに乗る機会はいくらでもあるでしょ。」
「今度レインボーブリッジを歩いて渡りに来てみる?」
「あ、それ面白そう。」




