34.駅名(3)
「正式な駅名にもカッコ付きのものってあるの?」
「多くはないと思う。ぱっと思いつくのは『広電西広島(己斐)』と『西鉄福岡(天神)』のふたつ。」
「へえ。」
「あとは、富山地方鉄道の市内線と富山港線を見てごらん。」
「うわ、カッコ付きの駅が多い。って、何この長い駅名。」
「凄いよね。現在の最長駅名だってさ。5か所のうち3か所は例の『軌道事業』だから、厳密には駅じゃなくて『停留場』なんだけど気にしない気にしない。」
「副名称に似たので『ネーミングライツ』だっけ、野球場とかサッカー場とかみたいに、駅名でもスポンサー募集ってのやってるよね。」
「銚子電鉄が大々的に実施してて有名。」
「そういうのって時刻表には載らないよね。」
「あくまでも広告だし、契約が切れれば終了するから。別のスポンサーになって変わることもあるし。」
「バスのアナウンスで『次はどこそこ、なんとか商店前~』なんて言ってるのと同じ感じ。」
「『副名称』とか『副駅名』ってのも実は結構多いんだけど、これも時刻表には載らないね。」
「じゃあ成田空港は珍しい例なんだ。」
「そういうこと。」
「会社名なんかが駅名になってるのもあるでしょ。」
「最近だとチョコレートメーカーの名前に因んだ名前の駅が札幌近郊に開業したね。」
「そういうのって結構あるの?」
「公共施設とか、学校名なんかは割とある。会社名なんかを使ったのも新旧いろいろとあるよ。」
「あ、『恵比寿』がそうだよね。」
「もともとビール工場から出荷するための貨物駅だったから地名じゃなくて商品名が駅名になったんだね。」
「そういえば、伯父さんが先日恵比寿でヱビスビールを飲んできたって言ってたっけ。」
「俺たちが飲めるのは、もう少し先だね。」
「そうなったら伯父さんにあちこち連れまわされそうだよ。」




