3.鉄道(2)
「まあ、それはそれとして『鉄道』が不思議な言葉ってのは一理あるかもしれないね。」
「今更無理にフォローしてくれなくても良いよ。」
「いや、そんなつもりは全く無いが。」
「言い方っ。」
「ほら『鉄道ファンです』っていうと『乗り鉄ですか?撮り鉄ですか?』みたいな聞かれ方するじゃない。」
「うん。そのあたりがメジャーな線ですな。」
「偉そうだね。ともあれ、もしこれが『道路ファンです』だったらどう?」
「え?何それ。そんなんあるの?」
「知らん。ってか、まずそういう反応かもね。」
「うん。素で答えただけだけどね。」
「それはともかく、たとえば国道や県道しらみつぶしとか、道路地図が好きとかなイメージ。それとも道路標識とか信号機が好きな人かもしれない。」
「なるほど。」
「あるいは道路を舗装しているアスファルトを極めちゃって、アスファルトフィニッシャーとか、タイヤローラーが大好物かもしれない。」
「その表現、ちょっと引くんですけど。」
「話が逸れた。えっと、あのさ『道路ファン』だと『道路』とそれに直接かかわるものが対象って感じな気がしない?」
「あ~、そうかもね。」
「そこを走る乗用車とかバスとか、道路を使ったドライブとか、そういうのが好きな人は『道路ファン』ってイメージじゃないよね。」
「うん、そうだね。カーマニアとかバスファンとか、それぞれに別の言い方のがしっくりくるね。」
「でしょ。『鉄道ファン』の場合は、電車、写真、旅行。そんな感じで対象がいろいろと思い浮かぶよね。でも鉄道?レール?そのものじゃないのばかりだと思わない?」
「ほんとだ。」
「『鉄道ファンです』って言った時に、『へえ、レールが好きなんですね。』って言われたことってないもん。」
「それは無いね~。想像できない。」
「『鉄道同好会』でもそうなんだよ。鉄道好きなら線路好きであれ!」
「えっと、何だか主張が始まっちゃった。」
「『道路ファン』って検索したら、道路トンネルに設置されてる換気扇が出てきちゃった。」
「それは違う。(断言)」




