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28.分岐器(2)

「分岐器っていうと馴染みが無いけど、ポイントならば良く聞くね。」

「『ポイント故障』あたりでじゃない?」

「そう、それ。分岐器故障でなくポイント故障って言うってことは、その動くところの故障ってことなのかな?」

「そうだね。データとか根拠とかは無しで言うけど、ポイント故障ってのの大半は『ポイント不転換』っていう状態だと思う。」

「不転換ってことは、えっと左右の切り替えが出来ないってこと?」

「確実に切り替わったことの確認ができない状態。少しでも隙間があると、そこに車輪が割り込んで脱線事故になる場合があるからね。」

「危険だね。」

「だから、たとえ実際には切り替わってたとしても、完了を知らせる情報が来なければ、故障として点検するようになってるはず。」


「ポイントが実際に切り替わらないって場合には、どんな原因があるの?」

「分岐器の装置自体に原因がある場合は破損、特にポイント部分のレールを動かす『転てつ棒』や『ロッド』が折れるってのだね。」

「ああ確かにそれじゃ動かせないね。」

「だけど、レールの間に異物が挟まるってのが大半みたいだよ。」

「物理攻撃だった。何が挟まるの?」

「多いのは雪。それも雪の塊。車両の床下とか台車の周りに付着してたのが、分岐器を通過する時の振動で落っこちて挟まっちゃう。」

「なるほどね。」

「東海道新幹線は名古屋とか新大阪、秋田新幹線『こまち』は田沢湖線の大釜なんかで雪落としの作業をしてる。これはポイント対策だけじゃなくて、高速走行中に雪が落ちると危険だからって理由もある。」

「それも危ないや。」

「あと関東や近畿だと雪は降ってなくても要注意。東北や北陸から来る貨物列車から雪の塊が落ちてくる。」

「仕方ないんだろうけど、ちょっと迷惑かも。」

「あと変わった所では『亀』が挟まるって。」

「亀?」

「うん。甲羅が硬いから、うっかり挟まると身動き取れなくなっちゃうらしい。」

「うわ、かわいそう。」

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