23.レール(3)
「お待たせしました。第四問。レールは意外と暴れん坊。」
「何?この問題。レールの擬人化とか企んでないよね?」
「まさかだよ。答えは?」
「んと、じゃあ面白そうだから○にしとく!」
「ぴんぽん。」
「え?本当に?」
「『暴れる』の表現が妥当かはともかく、気温が異常に高いとレールが熱膨張で伸びるんだ。そして『張り出し』っていって左右方向に大きく歪むことがある。」
「あ、『猛暑で運転見合わせ』ってそういうこと?」
「うん。レールの温度が予め決めてた値を超えると発生の危険性が高まるので予防的に。もし発生しちゃったら脱線の危険があるから。」
「恐いんだね。」
「『レール 張り出し』あたりで検索してごらん。グニャグニャに曲がった線路の写真が出てくるよ。」
「うわ、凄い。こんなんなるんだ。」
「それでは遂に最終問題!ここで正解すると100ポイントを差し上げます。」
「え?ポイント制だったの?」
「一気に大逆転のチャンスです。頑張ってください。」
「なに?俺、誰と戦ってたの?」
「第五問です。」
「ちょっと。」
「レールには男と女がある。さあ、お答えください!」
「今度こそ擬人化でしょ。右レールと左レールがあるからこれが男女?そんなわけ無いよね。」
「どーだろねー。」
「ひっかけ?わかんない。もう無さそうな方で○!」
「なんだか全部○って答えてない?」
「だって、わかんないんだもん。」
「なげやりですね。」
「で、正解は?」
「残念ながら、ぴんぽん。有輝選手優勝です。おめでとう!」
「それ何だったの?それに残念ながらって…。」
「まあまあ。」
「で、男女があるんだ。」
「おもちゃでのことだし、正式な呼び名ではないけどね。」
「????」
「あのプラスチック製の青いやつ。」
「あ~、それなら俺も持ってた。」
「接続するところの凸側と凹側を、それぞれオス、メスって呼ぶことがあるらしいよ。」
「あそこ折れちゃうと泣くよね。」
「ちなみに多分リアルなレールに男女はありません。僕の知る限りでは、だけどね。」
「だよね。」
「だから実はどっちでも正解にしました。」
「ちょっと、甘くない?」
「以前伯父さんが酔っぱらって言ったんだよ。『レールにも男と女がある~!』って。」
「それが元ネタ?」
「うん。翌日どういうことか尋ねたら覚えてなくて『男女があるわけないじゃんか』って笑ってた。」
「ダメな大人の話だった。」




