19.線名(2)
「本線って付けるのはやめたってことだったけど、時刻表なんかでもまだ使ってるよね。」
「そうだね。もう40年近く経つんだけどね。僕だって普段は平気で使ってるよ。」
「『本線』って付いてると大動脈ってイメージがあるよね。」
「実際には、さっきの北陸本線とか、あと信越本線とか、ずいぶんと寂しくなっちゃってるよ。」
「あ、どっちも北陸新幹線の関係?」
「そう。信越線は高崎から横川までの行きどまり、あとは篠ノ井から長野までと直江津から先の新潟方面に分かれちゃった。
「えっと、横川までが30キロ弱、長野のあたりは10キロ弱、直江津の先は100キロ以上あるけど。ぶつ切りだね。」
「北陸線も敦賀から米原までのわずかの区間だけになっちゃった。」
「北陸線は50キロ弱。」
「以前の区間は直江津から米原までだったから、この第三セクターになった分を足すと…、350キロ強あったんだね。」
「7分の1になっちゃったんだ。本線が演歌なんかで良く使われてるのって…。」
「いや、そういう悲哀をうたってるわけじゃないと思うよ。」
「本線の悲しみで替え歌とか歌えそう。」
「やめとこうね。」
「そういえば、ナオはさっき時刻表でも本線を使ってるって言ってたよね。」
「うん。」
「JR四国を見てごらん。」
「あれ?本線が付いてる線が無い。」
「JR四国は発足して1年経ったくらいで『本線』を使うのを正式にやめたんだって。」
「気にしてなかった。」
「以前は予讃線とか土讃線が本線だった。」
「へえ。で、この線名ネタはいつまで続くの?」
「語りだしたらキリがないので、今回はここまでっ。」
「本当?ってか今回は?」
「次は切り口を変えてぶっこむ所存です。」
「お手柔らかに。」
「この正式な線名って知ってて良いことあるの?」
「無いよ。」
「即答!じゃ、どうして話題に?」
「伯父さんに散々仕込まれてしまったので、誰かに引き継いで差し上げようと思ったのです。」
「迷惑っ。」




