18.線名(1)
「『4号線丸ノ内線』って言ったっけ。」
「うん。」
「これって地下鉄の丸ノ内線のことで良いんだよね。」
「そう。東京とか大阪とかの大都市では、昔から国の機関なんかが鉄道の整備を進言してて、その答申に書かれた路線番号を届け出てる所がある。」
「それ、正式名称にしちゃうんだ。」
「答申通りに整備しますから免許くださいって、お役所にわかりやすく書いたんだろ、ってのが伯父さんの見解。」
「じゃあ、他にも番号の付いた線名ってあるの?」
「あるよ。それどころか東京都交通局の三田線、あそこは最初は『都営6号線』って呼んでたんだって。」
「へえ。普通の人が?」
「うん。そうらしい。」
「あと、東海道本線とか東北本線じゃなくて、東海道線とか東北線って。」
「国鉄の頃まで本線とその支線っていう区分があったんだけど、民営化の時にやめたんだって。」
「どうして?」
「詳しい理由は知らないけど、えっと、どこかにあるよな。」
「何を探してるの?」
「えっとね、うん大糸線があった。大糸線はJR東日本とJR西日本の区間があるよね。」
「そうだね。」
「元は中央本線の支線だったんだけど、JR西日本に中央線はないでしょ。」
「そっか、所属する本線が無い状態になっちゃうんだ。」
「うん。反対側で接続してた北陸線の所属にしても良かったのかもしれないけどね。」
「こういうのって結構あるの?」
「ほとんど無い。でも理由のひとつだったかもとは思うよ。」
「その北陸線も今は第三セクターになっちゃったけど。」
「本線と支線っていう制度が残ってたら北陸新幹線の支線ってことになってたのかな?」
「何か違和感あるね。」




