118.紀勢線(1)
「ところで、旅行の計画立ててて思ったんだけど、JR西日本の紀勢線って上りと下りが変。」
「そうだっけ?」
「時刻表って下りが先で、次に上りの順だよね、なのに上りのが先に書いてある。」
「えっと、そうなってたっけ。」
「うん。ほら見てよ。それに、列車番号って下りが奇数で上りが偶数だよね。よく見たらそれも逆になってるでしょ。」
「あー、なるほどね。では順番に説明しましょう。」
「そうしてください。」
「まず、上り下りの向きについてだけど、国鉄当時の紀勢本線は三重県の亀山駅が起点で、和歌山県の和歌山市駅が終点だった。」
「JR東海とJR西日本に分かれたけれど、上り下りの向きはそれ以前のままってこと?」
「そう。新宮で会社が分かれたんだけど、JR西日本の紀勢線は亀山側の新宮を起点にして、そちらへ向かうのを上りにしてる。」
「あ、そうか。東海道線なんかも、JR東海の区間もJR西日本の区間も、東京方面に向かうのが上りだっけね。」
「違和感はあるかもだけど、上りってのは、あくまでその路線の起点へ向かうのを言ってるだけ。」
「中心地に向かうから上りで、その反対方向が下りって考えちゃうと違うんだね。」
「例えばさっきの東海道線で考えると、名古屋から西へ向かうのは下りだけど、東へ向かうのは上りになるじゃない。」
「どっちも下りっぽいけど違うんだね。」
「そんなわけで紀勢線も大阪方面から白浜とか串本へ向かう方が『上り』になっちゃう。」
「でも特急『くろしお』とか大阪発を上りって言うのは変な感じだよね。」
「うん。そこで列車番号の逆転ってことになる。」
「駅でも上りとか下りじゃなくて『どこそこ方面行き』って案内だったっけ。」
「相互直通運転をしてるところとか地下鉄なんか、そうしないとどこへ向かうかわからないのが増えてるからね。」




