11.絶景(2)
「トモはお勧めの絶景ってある?」
「僕の?う~ん、どこだろう。」
「安楽椅子過ぎてフィールドワークは苦手とか?」
「まあ否定はしないけど、乗車していないわけではありません。」
「その数少ない経験からどうぞっ。」
「そっか、聞きたかねーんだね。」
「そんなこたぁございやせん。おひとつ、お聞かせくださいまし。旦那ぁ。」
「ま、いっか。北海道に行ったときなんだけど、函館で一泊して朝一の特急で札幌に向かったんだ。出発した頃に出てた霧がだんだん晴れていって、北海道らしい景色が次第に広がる感じが印象的だった。」
「へえ。」
「そこから大沼公園、駒ヶ岳と見た後に、長万部まで噴火湾沿いの何もない景色も、あ~、こんなところもあるんだなって思った。」
「北海道はちょっと今回は遠いかな。」
「そうだろうね。ただ、僕はまだ行ったことないけど、根室とか稚内とかの方まで行くと、もっと凄い景色が見れる気がする。」
「もう少し近いところではどう?」
「有名なところだけど大井川鐵道の井川線かな。アプトいちしろ駅で補助機関車を連結して、発車して少し行くと、これから登って行く線路が見えるんだ。信じられないくらいの急坂でビックリだったよ。」
「ああ、写真では良く見るよね。行ってみたいけど、今災害で運休の区間とかあって乗りにくいんだよね。」
「そうだったね。早く復旧できると良いね。」
「いっそ近場ならばどう?」
「近場ねぇ。なら『ゆりかもめ』とかもお勧めだよ。観光客なんかで混むみたいだけど、レインボーブリッジでお台場に渡る所とか手前のループとか見どころ満載!」
「なるほど。」
「似たような感じだけど、京葉線の新木場から葛西臨海公園の間の荒川を渡る橋なんかも眺めが良いね。」
「東京近郊巡りなんかも良いかもね。」
「この辺りなら次の電車もすぐ来るし、降りて歩き回ってもクマが出たりしないからね。」
「そだね~。」
「ところで、とっておきとかないの?」
「これは車窓風景じゃないんだけれど、以前行った車庫見学の時に見上げた、ジャッキアップした電車の床下が絶景でした。」
「あ、そ。」




